何の工夫もせずに同じ過ちを繰り返すヤツのことをアホという。羽田・かみやからライト深場3戦目。2戦目でシロムツとユメカサゴしか釣れなかった。たまたま運がよくなかっただけと考えていたら、またもシロムツとユメカサゴしか釣れない。同じ失敗をした…アホである。猛烈に凹んでいる。
振り返りたくもないというのが正直なところなので、サクッと書く。右舷5人の前から2番目。ポイントは剣崎沖から少し南下した辺りだったと思う。釣る気マンマンだった。釣れる気もしていた。ハリス70センチで針掛かり率が大幅に改善し、マメに誘えば魚信を出せることも分かったので、あとはムツ(≒クロムツ)がエサを咥えてくれさえすればと考えていたわけだ。前回、シロムツばかり釣れた理由も一応考えていた。高めのタナはシロムツ率が高いので底5メートルくらいをじっくり念入りに探ってみようと考えていた。
水深は200メートルより少し深いポイント。仕掛けを落としたら一度3メートルくらい巻いて糸吹けをとってからもう一度落とし直す。そこから50センチ刻みで10回(底から5メートル)を誘い上げてみる。すぐに魚信があった。底近辺での魚信だったので、ユメカサゴかな?と思ったが、針掛かりした風なのにちっとも引かない。巻き上げてみると……ブサかわいいシルエットの魚が浮いてくる。ドンコ(チゴタラ)だった。こいつが釣れるときはあまりいい目に遭った記憶がないので、いきなり暗雲立ち込める。
その後はユメカサゴばかりが釣れてくる。船中、ユメカサゴだらけなら仕方がないかとあきらめもつくのだが、すぐ横でムツ(≒クロムツ)が釣れる。左舷ではほぼ同時に3匹上がったとのアナウンスもある。慌てても仕方がないがどうして釣れない?と気が急く。誘いすぎがよくないのかもとタナを変えてじっと待ってみたりもしたのだが……待つとユメカサゴもシロムツも釣れなくなるだけで、ムツ(≒クロムツ)が釣れるわけではない。なんだかちょっとずつ心が荒んでくる。
ポイントはどんどん南下していく。ようやくオッという魚信が訪れた。これはムツ(≒クロムツ)に違いないと巻き上げ中ニヤニヤしていたらギス。次のまぁまぁいい魚信は重量感もありときどき強く引くので今度こそは…。でも、3本針の上2本がシロムツで下はユメカサゴ。わりといい魚信がもう一度ある。三度目の正直ってやつかな? シロムツとユメカサゴの一荷。このあたりで心がポキッと折れた音が聞こえたような気がした。運がないのではなく釣り方が間違えているってことにも気付く。でも、どうしたらシロムツではなくムツ(≒クロムツ)が釣れるようになるのか? 荒んだ心と凹んだ頭ではアイデアが全く湧いてこない。
本日の釣果はシロムツ9匹、ユメカサゴ6匹の15匹。探るタナを狭めた分、シロムツの釣れる数が減っただけでキープできる魚はこの2魚種しか釣れない。前回釣行と全く同じ失敗をやってしまったわけだ。釣れないってことには慣れているが、無策に臨んで同じ轍を踏むと猛烈に凹む。「ムツさんには愛されてない」とこぼしてみても、愛されるためのアプローチの仕方が思いつかないのだから、あきらめるしかない。クーラーの中にムツ(≒クロムツ)らしき魚の姿が見えるって? ムツ(≒クロムツ)を3匹釣ったS藤名人から1匹おすそわけいただいた。
著者: へた釣り