6月1日に解禁となる剣崎沖イサキ釣り。20メートル以浅が食ってくるイサキの引きの小気味よさが癖になる。手返しがよく束釣りだって狙えるので、毎年開幕するのを楽しみにしている。2020年の開幕戦は尺級5匹込み23匹とお土産は潤沢。でも剣崎沖では一度も魚信なしで撃ちーん!
釣況は悪くないと思っていたが、どうやら剣崎沖、松輪の根は激渋であるらしい。瀧本船長に「調子よさそうですね」と挨拶すると「かなり厳しいですよ」との返事。「タナまでシャクったらじっくりと食わせの間を取ってやっと食ってくる」という状況らしい。竿頭なら30匹は超えていたはずなのだが……。竿を出す前にあれこれ悪いことを考えても仕方がない。魚がいるなら釣れるはずと信じるしかない。船は定刻に桟橋を離れて約1時間走って剣崎沖へ。
松輪の根が近づいてくる。活性の高い群れが入っているときは大船団ができるが、ポツンポツンと3、4隻しか集まっていない。本当にダメっぽい。いつもの瀧本船長なら船団に近づいて周りをグルリと回ってポイントを決めるのだが、船団に近づくことなくしばらく待機。無線で釣況を確認していたのだと思われる。「剣崎は相当厳しいみたいなので南下します」とのアナウンス。少し南のイサキとアジが混じるポイントをやるのかな?と思っていたが、船は止まらない。洲崎沖の五目ポイントでようやく減速する。2週連続で洲崎沖ウィリー五目になってしまった。
指示ダナは「70メートルから60メートル」。洲崎沖に行くとは全く思ってなかったので電動リールは持ってきてない。70メートルまでビシを落としたら50センチ刻みで20回シャクる。魚信はすぐに出た。シャクって竿が水平の戻る瞬間にキュンと穂先を持っていく。ゆっくり巻き上げて追い食いを狙うも不発。型がよい。25センチ以下がほとんど混じらずに良型が一荷なんてことも。バリバリと魚信るわけではないが、魚を付けずに仕掛けを回収することはほとんどない。尺近い物もいい頻度で混じる。
大きなイサキでバケツが一杯になっても血抜きしている時間がない。頑張ってシャクれば釣れるので休まず釣り続ける。五目狙いだがオキメバルが1匹混じっただけでほぼイサキだ。20匹は超えたかなぁという時分に信じられないことが起きる。偏光グラスがずれたのでかけなおそうとすると急に目の前が明るくなる。偏光グラスのフレームが折れた。度入りなので弱った。ラインのマーカーが見えない。リールのカウンターを頼りにタナを決めるしかない。少しペースダウンしたが洲崎沖でイサキ23匹。尺級が5匹混じったので大満足の釣果だ。
13時に「剣崎沖に戻ってみます」とのアナウンス。激渋フラグの立っている松輪の根で1匹、2匹イサキを釣って正真正銘「剣崎沖イサキ解禁」といきたいところだったが、想像以上に渋かった。実績のある仕掛けで休むことなく船長から指示されたタナを下から上までシャクり続けたが一度として魚がウィリーに触れてくることはなかった。奇跡的に釣れた一尾を期待して15時の沖上がりまで粘ったが…努力が報われないこともあるのが釣り。船長いわく「魚はいます。口を使ってくれないだけ」とのこと。イサキは開幕したけど剣崎沖イサキは開幕延期になってしまった。
著者: へた釣り