へた釣りはカワハギ4シーズン目にして、殻付きアサリを剥くようになった。それまでの3シーズン、23戦はずっと船宿でもらえる冷凍アサリで釣っていた。今年の釣果と昨年までの釣果を比べてみると悩みが……冷凍アサリと生アサリで食いは違う? 食いだけならあまり変わらない気もする。
金沢八景・一之瀬丸の船長に聞いてみたら、「昔の冷凍アサリは解凍したら身がドロドロなんてこともあったけど、最近のは問題ないですよ」。船長がその証拠としてあげたのが「冷凍エサの人も生アサリの人も取られるときは全部エサを取られる。残るときは全部残る。冷凍エサの人だけエサを取られないって経験はない」。シーズンになるといろんな釣り人を乗せて毎日出船している船長の言うことなので説得力がある。一方で、船宿でもらう冷凍エサを使っている人と自分で剥いたアサリを使っている人とでは、竿頭になる確率が自分で剥いた人の方が圧倒的に高いとへた釣りは感じている。それが今年から自分でアサリを剥いてみようと思った動機だった。
船宿に早めに到着しアサリの殻剥きに勤しんでいる人は、気合が違うし上手な人が多いってだけのこと? それなら自分で剥かなくてもいいかな?と思い始めていたのだが、「カワハギ地獄Bible」を見てようやく得心が行った。船宿でもらえる冷凍アサリは身の硬さや大きさなどを自分でコントロールできないが、自分で剥いた身は大きさを粒の大きさで変えられるし、剥いた後の締め具合によって身の大きさ、硬さを変えられる。竿頭になるような人は、その日のカワハギの活性やサイズに合わせて、使うアサリの大きさや硬さを調整していたのである。この調整の有無で釣れる魚が1時間に1匹多ければ、釣果としては7匹違う。2匹も違えば14匹違うことになる。竿頭でも30匹以下のことが多いカワハギ釣りで14匹違えば、ダブルスコアにされちゃうってこと。
アサリの大きさを変えるといいということには気付いていた。大き目のアサリには大きなカワハギが来ることが多い。TKB43かみや予選1戦目で、大粒のアサリを見せエサに使うと良型カワハギのゲット率が上がるという知り、その真似をしていたのだが、ただの真似を道理にしてくれたのが「カワハギ地獄Bible」。以来、へた釣りのエサの使い方はこんな感じ。
・大粒アサリ:見せエサとして前夜に剥いて硬目に締めて餌持ちをよくしておく。大型カワハギでも一口で食べられないサイズなので、あきらかにカワハギがアサリを突いているときに勝負できる時間を長くできる。アピールしたいため一番上の針に付ける。大粒アサリを1つより、中粒や小粒を2つ付けた方がよいと教えてもらったが……餌を付けるのが遅いので大粒1つの方がへた釣り向きだ。
・中粒アサリ:これも前夜に剥いて硬く締めておく。カワハギの口に入るサイズである一方で硬めにしてあるので、エサ持ちがよい。一番下の針に付けると、吸い込みが悪い分、明らかにカワハギではないと感じる魚信があったときに竿を大きく持ち上げてかわすことができる。一番下の針はなるべく餌持ちをよくした方がカワハギに餌の存在を気付いてもらいやすい(=魚信が増える)ような気がする。
・小粒アサリ:船宿に着いてから40粒くらいだけ剥き、ほとんど締めない。海水で薄めたアミノシュリンクでヌメリだけとって使う。これが本命の食わせエサで真ん中の針に付ける。吸いこみがいいので、競技カワハギくわせ5号の針にちょうどマッチするサイズのものをなるべく選んで装餌する。実際、真ん中の針でカワハギを掛ける率が高い。
こういうコントロールは冷凍アサリではできないので、一度アサリを剥くようになったら冷凍アサリには戻れない。アサリの使い分けを意識し始めたTKB43かみや予選1戦目以降の7釣行は、竿頭になれない日でも、さほどトップと枚数差はなくなってきているし、25センチのまずまずサイズ以上をお土産にできているので、エサを使い分けることの効果は、それなりにあるのではないかと…思うんだけどなぁ~、どうだろ?
著者: へた釣り