コロナ禍で近場でのレジャーを楽しむ人が増えたおかげで、東京湾の船釣りも週末は予約をとるのが大変なほどに盛況だ。入門に適した釣りの1つであるLTアジやアミ五目などコマセを使う釣りならレンタルタックルで十分楽しめる。これだけ覚えておけばもっと楽しめることを8つメモ。
竿を船べりの穴に挿したときに竿先からコマセを入れるビシをぶら下げてブラブラとさせている人がいるが、これは絶対にやめた方がよい。船は揺れるし、走ると振動もする。揺れたビシが自分や他人に当たると危ない。仕掛けが付いているなら針が誰かの体に突き刺さる可能性もある。ビシは絶対にコマセのバケツの中に入れておくようにしよう。
釣りに行く前に釣具店に行って準備をするのは楽しいけれど、初めての釣りの場合は仕掛けは船宿のオススメの物を受付や船長から買う方が安全。アジなら針のサイズが1号違えば結構釣果に差がついてしまう。それでも釣具店にお買い物に行きたいなら仕掛け選びは店員さんに相談しながら選んでもらう方がよい。
まずは仕掛けを海に投入する。続いてコマセを詰めたビシを投入するのだが、仕掛けの上にビシを放り込む人が結構多い。毎回毎回テンビンやのビシに仕掛けが絡まって上がってくる人がいて何故だろうと観察していたら仕掛けの上にビシを入れていた。これでは釣れない。竿の弾力を活かして少し振り込んで2メートルほど先にビシを落とすといいが、難しいなら仕掛けとは違う場所に意識して落とすようにしよう。
ビシが海底に着くとリールから糸が出て行かなくなり竿先が持ち上がる。慌てずにと言いたいがここだけは慌ててリールを2メートル(ラインのマーク2つ分)巻く。こうすることで根掛かり(ビシの紛失)を避けられるし、正確なタナ取りの動作に移りやすくなる。船長が船を操船してラインを海面に対してまっすぐにしてくれる。まっすぐになったらもう一度底までビシを落とす。巻いたはずの2メートルよりも底までの距離は短いはず。
タナの指示は「底から2から3メートル」といった具合に出る。とりあえず真ん中の2.5メートルにタナを合わせる。ビシが底に着いている状態からリールを巻いて竿先にビシの重みが乗ったらそこが0メートル。1メートル(ラインのマーク1個分)巻き上げてコマセを振る。大きく振るのではなく小さくビシッと振る。さらに1メートル巻いてもう一度コマセをビシッと振る。あと50センチ巻き上げると底から2.5メートル。タナで20秒待って魚信がなかったら底まで落として最初からやり直し。
アジが掛かると穂先がフルフルと揺れてからグンッと穂先を持っていく。フルフルの段階で針に掛けようと竿を持ち上げる人がいるがこれでは掛からないことが多いし、掛かっても掛かりどころが悪く外れてしまう。アジの口のいいところに針が掛かって穂先をグンッと持っていくまでは竿を動かさずに我慢する。いつまでたってもグンッと行かない場合はゆっくり竿を持ち上げて様子を見てみる。アジが小さすぎて穂先がグンッと行かないこともある。
アジが掛かったらゆっくりリールを巻く。海面にビシが見えたらリールを巻くのをやめて竿を持ち上げてまずはビシを手に取る。と同時に竿を釣り座にと船べりに渡すように置く。ビシをバケツに置いたらゆっくりと仕掛けを手繰る。魚の泳ぐ感触が手に伝わってきてテンションが上がる。勢いよく抜き上げようとする人がいるが間違い。ゆっくりと海から抜きあげるようにして船の中にアジを取り込む。口のいい(硬い)ところに針掛かりしていればまずバレないので慌てずゆっくり落ち着いて。
大潮の日は魚が釣れると信じている人がいるがコマセを使う釣りに関しては大潮は難しい。潮の流れが速いためコマセが速く流れて行ってしまい、コマセを振り出してからタナに合わせるまでをスピーディに行う必要がある。正確なタナ取りの練習中に速さまで求められると……。小潮寄りの中潮から小潮くらいがLTアジなどコマセを使った釣りは入門しやすい。釣行日を選べるならネットで「潮見表」と検索して潮回りを確認してみよう。
著者: へた釣り