ウィリーはシャクってシャクって動かした方が釣れると信じている。一方で動かさないウィリーの方に魚(主にイサキ)が食ってくることがあることも知っている。その条件は? 剣崎沖イサキ2019開幕戦で目の前で入れ食いしていたあさなぎ丸の男女ペアがヒントをくれたような気がする。
剣崎沖イサキ2019開幕戦のラスト2時間くらいは全くといっていいほど魚信が出せずに大苦戦した。艫潮で舳は潮尻だったせいと思われるが、松輪の根周辺ですぐ近くで釣っていたあさなぎ丸左舷の舳と2番目の男女だけが入れ食いしていた。どうしてだろうと観察。指示ダナから50センチ刻みくらいで5回フワリフワリと誘ってそのタナでじっと待つ。1分くらい待って魚信がなければ落とし直して最初に戻る。2人で全く同じ釣り方をしていた。舳は潮尻で不利な釣り座になっているはずなのにあさなぎ丸の左舷に関しては艫寄りではなく舳寄りのこの2人の方が圧倒的に釣れていた。休まずシャクリ続けているへた釣りのウィリーにではなく、動かさずにタナで待っているウィリーの方に食ってくる理由はなんだろう? 妄想してみる。
開幕してしばらくの剣崎沖のイサキの群れは常時船の下に居着いてくれているわけではなく、コマセに反応して出たり入ったりしているのだと思う。釣れるときはパタパタと釣れ、釣れなくなったらしばし沈黙となるのはそのせいだ。あさなぎ丸の2人がやっていたのはコマセを撒くタナの範囲をシンクロさせることによって、群れがどのタナに入ってくるかを制御していたのではないかと……。たかが2人でではあるが、2人並んで全く同じタナでコマセを撒き続ければ指示されたタナの中で思い思いにコマセを撒いている人たちに比べれば倍の濃度でコマセを撒くことができる。2人が示し合せたタナに入ってきたイサキはそのタナに仕掛けを入れて待ちかまえている2人のウィリーに食いつく。
と妄想すると船長の指示ダナの下から上まで、場合によっては上に関しては+1~2メートルの幅に薄く広くコマセを撒くへた釣りの釣り方はイサキ群れが船下を出たり入ったりしているシーズン初期には向かないのかも。過去にも仕掛けを止めている人に釣り負けたことがある。そのときは自分の釣果も悪くなかったのであまり深く考えなかったのだが、剣崎沖のイサキ釣りでは釣れるタナを探るのではなく、釣れるタナを作れるコマセマークができる人たちがいると考えた方がいい。そういう人を近くで見つけたらシンクロしてコマセを撒くのが釣果向上に繋がるかも。へた釣りとペアを組んでこの妄想が正解かどうか検証してくれる人いないかな?
著者: へた釣り