昼に東京湾口で釣ろうとするとツ抜けできれば御の字なクロムツがバンバン釣れるのだから、内房勝山港・萬栄丸の半夜クロムツは楽しすぎる。来年もお誘いされれば喜んでいく。まだ2戦しかしていないので、次行ったときは全然状況が違うという可能性もあるが覚えておきたいことをメモ。
10月2日に行ったデビュー戦は、夜ムツだからと18メートルまでタナを上げて出だしは好調だったがサバラッシュが始まると高いタナはサバばかりになってしまい失速。低めのタナを探ると今後はアジがずっと餌を触り続けて集中力を削られて16匹。
11月20日の第2戦はタナを上げなくても食い気のあるクロムツはいると気づいて8メートルで勝負する。タナを低めにしたことでサバより先にクロムツが食ってきてくれる確率があがり、サバラッシュの最中でもポツポツと本命を拾えるようになって27匹。
仕掛けは幹糸を14号(フロロ/ナイロンどちらがいいかは不明)で枝間は140センチで作る。3本針なら上針と下針は船の外に垂らして船べりには真ん中の針1本しか置かなくてよいので投入トラブルが減る。また、5本針などに比べて落下中にサバに捕まりにくいのに加えて、上針から下針まで280センチなのでサバよりクロムツが優勢なタナを探りやすい。サバラッシュが酷いときは2本針にする人が多かったが、仕掛けを落とせるだけでなく、サバに邪魔されにくいタナを探すのに針数を減らすのは有効と思う。
夜クロムツの厄介者といえばクロシビカマス(≒スミヤキ)によるPEラインへのアタック。何の前触れもなく鋭い歯でPEラインをスパッと切っていく。仕掛けもオモリも全部失うので精神的なダメージが大きい。太いフロロを先糸として20メートルほど結ぶだけで対策できるそうだが、太いフロロはバックラッシュが怖いので、黒色のPEを20メートルほど結んだ先にフロロ14号を5メートルだけ巻くことにした。2戦して一度もスミヤキにラインを切られることはなかったので、この組み合わせでスミヤキ対策できている気がする。
クロムツの誘いは親子サルカンを要にして枝スを扇状にふわりと漂わせるのをイメージする。オモリが着底したら探りたい上限まで巻き上げて、そこから枝ス長刻みにストンストンと落としていく。落とすと枝スは親子サルカンより上に上がり止めるとゆっくり沈んでいく。餌のサバ短が海底に水平に近づくとクロムツが下から食ってくる気がする。夜のクロムツは食いが立っているため勝負が早いと感じた。誘うとすぐに魚信が出ることが多く、食わせの間は10秒もあれば十分だと思う。食ってこないかなと待つよりも何度もタナを往復させた方が魚信は多い気がする。
夜クロムツでは食い気のある魚は高めのタナにいると思い込んでデビュー戦では20メートルくらいまでやってみたがサバが襲いかかってきたら高いタナはほぼ100%サバになってしまう。上は8メートルくらいまで探れば十分かな? サバが食ってこないタナはないのでサバよりクロムツの方が先に食ってきてくれるタナを探す。サバと並んでお邪魔なのがアジ。餌を取ってはいかないがサバ短にまとわりついてきてコンコンと魚信を出し続ける。アジの魚信が続いている間はクロムツの魚信が減る。アジの魚信が続かない高さまでタナはあげる。
クロムツは群れでいる魚なので1匹かかれば同じタナで2匹目、3匹目の可能性がある。クロムツの魚信があったらしばらく同じタナで追い食いを狙う。食いあげてきたら少しずつ巻き上げていく。針数ついた手応えがあるかサバが食ってくるまで粘ってみる。クロムツとサバの魚信を完全に見分けることはできないが、サバが掛かって放置するとオマツリの原因になるのでサバっぽいと感じたら巻き上げる。枝スをフロロ8号で作っておけばクロムツの歯に触れても簡単には切れない。
ドラグはガチガチに締めておくのだと思い込んでいたが船長からの指示は「サルカンを巻き込んでも穂先が折れない程度に設定」だったのでもう少し緩めてもよさそうだ。ドラグを締めて高速で巻くのはサメにクロムツを食われるのを避けるのと、オマツリを避けるためと思われる。サメがいるときいないとき、潮が速い時それほどでもないときで許容されるドラグ設定や巻き上げ速度は違うと思われる。実際、周りから聞こえてきたモーター音は最高速のそれではなかった…気がする。
著者: へた釣り