たくさん釣れたとかそういう分かりやすい成果には表れない釣りの満足度がある。俺が行っても終わらずどころか釣行は最多記録を更新しただけでなく、ほかの魚を混ぜず90メートル下の海中からカイワリだけを選んで釣ることに成功した。シャクリで釣り分けはウィリーの醍醐味。嬉しい。
カイワリ釣りの基本は高速なシャクリ。スティ0でやや乱暴にも見えるほどに50センチ刻みで休まずシャクリ続ける。一応下針にはオキアミを付けているがシャクリが激しいせいで外れてしまってもよいと考えている。ウィリーならばどれだけ激しくシャクっても餌が取れてしまうことはない。だからオキアミ空針よりウィリーの方がカイワリ釣りに適している。俺が行っても終わらずどころか釣行の船中の釣果はカイワリ2匹~18匹とシャクリ方で釣果に大きく差が付いた。
ソフトにシャクっていた人は魚信を出せない時間帯が長かったと思われる。へた釣りはスティ0で終日いい頻度で魚信を出せた。魚信はあっても針掛かりしないことが多かったのでスティ1秒を試し、魚信が減ることを確認してから、一瞬だけ意識してクワセの間を作るスティ0.5秒に切り替えた。この釣り方で最後までコンスタントにカイワリを拾えた。自分なりに組み立てた戦略(ウィリーで釣る)と戦術(スティ0.5秒)がハマると釣りの満足度は跳ね上がる。
へた釣りのクーラーの中は最後の1投までカイワリだけしか入ってなかったが、船中、チダイはたくさん釣れていたし、ほかにもサバやムシガレイ、ソウダガツオ、ミズフグなどが釣れていた。サバとソウダガツオは紡錘形の体のスピードスターという印象だが意外なことに高速シャクリにはついてこれない魚だということは宇佐美沖だけでなく剣崎沖でも確認済み。ムシガレイとミズフグは底付近でかなりの時間仕掛けを放置していないと釣れないと思われる。
これらの魚は別に欲しくないのでいいのだが、唯一チダイだけはお鍋にすれば美味しい魚なので欲しかった。チダイはウィリーで狙っている船もあるのでウィリーにも反応してくれるはずなのだが……。カイワリ狙いの高速シャクリでは一匹も混ざらなかったのでもう少し遅いシャクリが正解とは予想がつく。それではカイワリが釣れなくなる。最後に手にしたチダイはピンクのウィリーに食ってきていたが追い食いを狙ってタナをゆっくり巻いているときに掛かったもの。カイワリに混ぜるチダイの釣り方は狙うのではなく追い食いのときに混ぜるが正解?
著者: へた釣り