あれこれ条件の分岐を増やして釣りを難しくしてしまうのは好きではないが、全く同じ条件ということはないのが海。釣果を高めに安定させようとすると、どうしてもあれこれ条件が増えていく。2018年のイサキ釣りは潮の速さと仕掛けの長さの関係に悩み、ソウダガツオ対策の難しさを知る。
2018年の剣崎沖イサキは全7戦。10匹、18匹、8匹、179匹、45匹、81匹、40匹だった。全部で381匹。1釣行あたりの平均は55匹なのでまずまず。今季は25センチ以上の大ウリンボサイズがよく混じったのがうれしい。束超えを目指して高速で休まずシャクリ続ける数釣りも楽しいが、よいサイズが混じりそうなときは高めのタナをじっくりと探って良型を物にする。タナの上限12メートルという指示でも10メートルくらいまでシャクればガツンと穂先が入ることがある。型狙いと数狙いを局面によって使い分ける。型狙いは長めの仕掛けが有利である。良型ほどリアクションバイトでウィリーに飛びついてはこない。320センチの仕掛けを使っていたときの方が良型をゲットできる頻度は高かった。
長い方が良型を狙いやすいのに仕掛けを短くする理由は、ソウダガツオへの対策に尽きる。8月に入りソウダガツオがウィリーにバンバン当たってくるようになると、長い仕掛けはフォール中に食われやすく、ハリス1.5号の仕掛けは結構な確率で切られてしまうので仕掛けを捨てにいっているような状態になる。なるべく長い仕掛けを使いたいので260センチ、200センチ、160センチという具合に針数を減らし、仕掛けの全長を短くしていく。これでソウダガツオを100%かわせるというものではないが、短ければ短いほど仕掛けをタナまで送り届けられる頻度は高くなる。
イサキを釣るのに必要な仕掛けの長さは潮の速さによって変わってくる。そのことに最初に気付いたのは剣崎沖ではなくカイワリ五目の合間にやった初島沖でのイサキ釣り。4.5メートルの仕掛けを使っている人の4分の1しか釣れなかった。初島沖も潮は速い。コマセと仕掛けが同調する時間は短く、しかもビシより遠い位置でということになる。イサキはビシから遠い針にばかり食ってきた。同じ傾向は速潮で悩んだ平成(本当に)最後のイサキ釣りでも。イサキは一番先の針にしか食ってこない。ソウダガツオに途中で切られた短い仕掛けではソウダガツオは釣れないがイサキはもっと釣れないという状態だった。潮が緩むとビシに近い針にも食ってくるようになりトリプル、ダブルが発生するようになったので、潮の速さによって仕掛けの長さを考える必要があるのは間違いなさそう。
潮の速さと仕掛けの長さに相関があることに気付くとあることに思い当たった。2016年以降に束超えを達成している日は7月後半~8月にかけての潮回りが小さい日。2015年以前に束を超えたのは8月の大潮や中潮の日だった。2016年以降、使い始めたのがソウダガツオ対策のショート仕掛け。ショート仕掛けは潮が緩い(少なくとも速すぎない)とき限定と考えられる。剣崎沖は潮回りで潮の速さは左右されないそうだが、潮回りの大きい日の方が潮の速い時間帯が長いような気がする。潮回りの小さい日は潮が速い時間帯もあるが潮が緩んでいる時間が長い気がする。気がするだけではどうしようもない。潮回りと潮の速さの関係を実証するのが来季の大きなテーマ。潮が速く釣りにくいと感じた時間の長さを潮回りごとに整理して、船長含め多くの人が関係ないという潮回りと潮の速さの関係を分析したい。
ソウダガツオに仕掛けをぶつぶつ切られまくって行きついたのが2本針で全長105センチという超々ショート仕掛け。平成(本当に)最後のイサキ釣りでは潮が速くイサキを釣るには仕掛けの長さが250センチは絶対に必要という状況だったのでこの仕掛けをそのまま投入することはなかったが意外と便利に使える仕掛けかもという手応えを掴んだ。ソウダガツオに切られた仕掛けにこのショート仕掛けを接続することで針数と仕掛け長を調整することができる。エイトノットで接続するのでソウダガツオが食ってきても接続部分で切れることが多く、すぐにまた超々ショート仕掛けを接続できるのでロスタイムが短い。潮が緩いときはそのままで、潮が速いときは切られた仕掛けに接続することで便利に使えそうだ。
著者: へた釣り