「穴釣りってどうやってやるんですか?」といきなりメールで問い合わせが来た。へた釣りは「釣りは好きだが下手だ!」と公言しているわけで、聞く相手を間違えている。とはいえ、このブログを見て、冬休みに子供とカサゴの穴釣りに行くという友人のために、分かる範囲で釣り方を整理する。
どうやら、毎年恒例の東伊豆釣り合宿で子供1号、2号がカサゴ&ムラソイを釣っている写真を見て、年末・年始に伊豆への旅行を計画している友人家族は「釣りでもするか!」と思い立ったという経緯らしい。子供は小学校高学年の男の子が1人。パパは中学生くらいまで千葉港で投げ釣りならしたことがある(=サルカンに糸は結べる)らしい。
竿は1.2メートルくらいのテトラ用と書いてある竿を買う。釣具屋に行くと、上等そうな竿の脇にこっそり売られている。短いので持ち運びに困らないし、ゴリ巻きなので振り出し式よりもガイドがずれないワンピースの竿の方が使い勝手がよい。値段は1000円~4000円くらい。5号くらいの錘を先端に吊るしてみて竿先が曲がればそれで十分。リールは安い両軸リールでナイロン3号か4号の糸が50メートルも巻いてあればそれでよい。
ブラクリの市販仕掛けを買ってもよいが、根掛かりで消耗が激しいので、かなり割高になる。小さめのサルカンと丸型のゴム管中通しオモリ(2号~5号)、糸付きの丸せいご針11号を買って仕掛けを作るのが正解だと思う。リールに巻いてあった道糸にゴム管中通しオモリを通してサルカンを結ぶ。サルカンの先に糸付きの丸せいご針を結んで、サルカンにゴム管を被せれて錘を固定すれば仕掛けの出来上がり。ハリスは短い方が根掛かりが減るので5センチ以下になるように結ぶ。根掛かりしてもハリスから先だけが切れることが多いので、錘の消耗を抑えられる。ただし、針は余裕を持って30本以上は持っていきたい。道糸がテトラに擦れるので、傷んでいる?と感じたら道糸を切り詰めていく。道糸のチェックを怠ると……高切れすることがある。
餌はサバなどの身餌が大物狙いに効果的だし、餌持ちもいいのだが、魚信がないと面白くないのでアオイソメがよい。アオイソメならベラやコッパメジナの魚信も出るので、針掛かりさせられるかどうかは分からないが魚の気配を竿先や手元で感じ続けることができる(=子供が飽きずに楽しめる)。アオイソメを通し挿しにしてタラシを3~5センチにしたら、まずはケーソンとテトラの隙間から落としてみる。ここなら足場がよいので安全だ。
丸型のオモリなので、テトラにぶつかりながら仕掛けはどんどん下へと落ちていくはず。途中で引っかかったかも?ってときは糸を張って少し竿先を持ち上げてから落とし直せば大丈夫。海底まで錘が着けば、すぐにガッガッガッというカサゴの魚信が出るはず(魚がいればだけどw)。ゆっくり竿を聞き上げると針掛かりしたカサゴは根に潜ろうとするので、あとは強引にゴリ巻き。最初の引きはパワフルなので根から引き離せた瞬間は子供なら大喜びのはずだ。
穴釣りで釣るカサゴはほぼ必ずと言ってよいほど大きなものから釣れてくる。最初に釣れたカサゴがキープサイズ以下の場合はその穴に見切りをつける方がよい。穴は上からのぞいてみて海面以下の底が広そうに見える穴に大物がいることが多いので、一穴で粘らずに該当しそうな穴を次々探ってみるのがよい。ケーソンの上から探れる穴がなくなったら、テトラの上に乗っていい穴を探すことになる。濡れているテトラは滑るので大人用、子供は濡れてないテトラ限定で穴を探っていく。
伊豆の場合は堤防の下がゴロタ場というケースもよくある。オーバーハングっぽくなっている場所は意外と大きなカサゴが潜んでいるので、水深が50センチ以下でも探り忘れ注意。大きめの漁港などでは、ケーソンの継ぎ目も忘れずに探る(カイズが飛び出してくることもあるぞ!)。ギンポやカニが定番ゲスト。へた釣り家では、ギンポは天ぷらにカニは味噌汁の具にして食べる。本命のカサゴは小型は唐揚げに、大型は煮付けにする。
著者: へた釣り