ライト深場で釣れる魚…味の方は期待してなかった。クロムツは煮付けで食べたことがあったがどうってことない味と記憶していた。伝説は始まらなかった釣行で「全部煮付けかなぁ」とぼやいているとデカッw船長に「クロムツは炙って刺身で」と言われる。これが美味かったのなんのって!!
ムツは東京湾のとある堤防での夜釣りで20センチくらいの若魚を入れ食いしたことがある。針を外すのに歯がおっかないし大きな目がギラギラしていてあまり美味しそうには見えない。実際、身が柔らかく脂ののりもイマイチで不味くはないがすごく美味しい魚ではなかった。伝説は始まらなかった釣行で釣れたクロムツを見てみる。これって本当にクロムツ? 東京湾で釣れるムツ属には、ムツとクロムツがあり、「釣魚1400種図鑑」で調べるとムツは体色が「紫がかった茶褐色」、クロムツは「紫がかった黒褐色」とある。正確には側線有孔鱗数で見分けるらしい。写真を拡大して数えてみたがクロムツじゃなくてムツかな?
ムツでもクロムツでも美味しければいいや。釣行から帰ってきてFacebookを見ると、Y野達人から「炙り刺、超旨いです!」、U原工房からは「刺身に引いてからステンのバットの裏に載せてバーナーで炙る」と作り方の手順の指示まで。N村達人からも「炙ったお刺身は例の塩で」とのアドバイスをいただく。これを無視して他の料理法で食ってみるほど捻くれてないし、ムツの食べ方にこだわりはない。三枚に下ろしたムツの半身をバナーで炙る。すぐに皮が焦げ、皮際の脂が焼けている匂いがして食欲をそそる。
表面こんがりで内側はレア。身がピンク色をしているので鶏のたたきのような感じになった。美味そうではあるが、この段階ではまだムツなんて大して美味い魚ではないという先入観を捨て切れていない。一切れ取って刺身の塩(白身)をちょんとつけて口に運ぶ。身自体が甘いのか、それとも溶けだした皮際の脂の甘さなのか、口の中に甘味が広がる。アマダイのほのかなそれとは違い、分かりやすい甘さ。深場五目で本命視されるわけだと納得するお味。釣行時にクロムツが1匹しか釣れなくても悔しくなかったのだが、これを食っちゃうともっと釣りたかったよぉ~と今さら悔しくなっていたりwww
著者: へた釣り