ムツの炙り刺のあまりの美味さに再戦する気マンマンのライト深場。本命なしの五目釣りなんだけど、ムツ五目に勝手にルール変更しちゃおうと思う。アカムツとクロムツにターゲットを絞ってみよう。目下一番の悩みは、ムツ釣りにアワセは必須? それとも向こうアワセで掛かるもん?
伝説は始まらなかった釣行でムツ五目の竿頭は6匹+アカムツ1匹だった。初島でのキンメ&ムツ五目の経験があるという達人さんによれば、「アワセは必須。ムツが泳いでいる泳層を予想してじっくり誘いながら上針から食わせて行く。掛かったらハリス分巻き上げてどんどん食わせて行く」とのこと。アワセは「モゾモゾとしたら鋭くアワセる」ようで、「エサを取られるくらいならアワセ損ねるが正解。エサさえ残っていればすぐにもう1回食ってくる」ということらしい。次頭でクロムツ4匹を釣った人は左隣だったので釣り方を見ることができた。横から見て竿先に変化が出るほどの魚信があったときは鋭く竿を持ち上げていた。小さくアワセるというより大きくアワセていたように思う。
アワセは必須なんだとすると、針はムツ針ではなく、もっと針掛かりのよい針にした方がよいのでは?と考える。ムツ針はエサを針ごと一飲みする魚が針に違和感を感じて吐き出すときに口の周りに掛かるという針。そういう特徴からして向こうアワセに適した針だと思っている。ムツの捕食はエサを一飲みではなく鋭い歯で噛みついてくるのではないかと想像できる。でないと、あんな歯をしている理由がなくなる。針はムツ針じゃなく掛かり優先(軸が長めのタチウオの針やカイズ針、あるいはチモトを補強したチヌ針)なら針掛かり率を上げれるのではないかと考えた。
そんな仮説を持って上州屋・渋谷店へ。正直に魚信はあるのにムツがちっとも釣れないと打ち明けて、ムツ針以外の針だと何がオススメか?と聞いてみた。聞かれた店員さんは相当困った顔をして、「ムツ釣るのにムツ針以外ってのはあまり……だってムツ用の針だからムツ針って名前なんですよ。ムツは基本向こうアワセで釣れる魚です」。ムツ用に設計された針だからムツ針と言われてしまうと反論できない。アワセないとエサだけ取られて釣れなかったと言うと、「そういう日もありますが…」。と、ここで振り出しに戻る。ムツを釣るのにアワセ必須? 向こうアワセでOKなの?
魚の大きさ、エサの大きさなどアワセの要不要に関連する要素は針以外にもありそうだし、いろいろ悩めそうな釣りなので面白い。何がいいってオニカサゴと違って魚信だけならほぼ途切れることなくあるので、試行錯誤の結果を得やすそうだ。ならば上達のしようがある釣りなんじゃないかなぁ? 次回釣行にはムツ針以外の針を何種類か仕込んでいくつもり。チモトの補強法はタチウオのやり方を流用するつもりだ。
著者: へた釣り