今期のメバル釣りはかみやの大会をもって終了の予定。全8戦で133匹(メバルのみ)。昨年は2戦してわずか5匹だったのだから大躍進だ。来年も2月の開幕からメバル釣りを頑張るために、覚えたことをちゃんとまとめておく。ついでに来年の釣り方について考えていることもメモしておく。
東京湾のメバル船は、メバル・カサゴ船として出船していることが多い。どちらかというと、メバルよりもカサゴの方がよく釣れるのだが、へた釣りはカサゴはなるべく釣らずにメバルを釣りたい。それも煮付けて1匹食べると満足できるサイズ、25センチ以上のメバルを釣りたいのである。カサゴは釣れればうれしいゲストという位置づけ。美味しい魚なのでもちろん持って帰って食べるのだが、メバルが強い引きで楽しませてくれるのに対し、根から離すと抵抗が弱く重いだけのカサゴは釣趣という点ではメバルに敵わない。
メバルの活性と釣りやすさは天候と潮の濁り具合に大きく左右される。特に開幕初期の2月、3月の海は東京湾でもきれいに澄んでいることが多い。釣行するなら曇った日が圧倒的に有利だ。曇りだとメバルは宙層に浮いてくるという傾向があり、上針から餌に食いついてくる。枝間である60センチずつ巻き上げていくことでダブル、トリプルを狙いやすく釣りやすくもなる。一方晴れだと、底べったりになるらしくメバルは下針から食ってくる。追い食いを狙いにくいだけでなく、根にも潜られやすくなり釣りにくい。
GWを過ぎ、東京湾に濁り潮が入ってくるようになると数釣りシーズンの始まりで、1回の釣行で30匹くらいメバルが釣れるようになる。薄いコーヒーのような色をした海なら難しいことを考えなくてもメバルが釣れるようになるのだが、潮が速すぎる、海が荒れている、超がつくほどの晴天の日は、それでもメバルが底べったりになる傾向がある。潮に関しては船長が潮が緩いポイントを探してくれるのだが、凪で曇天がメバルを爆釣しやすい条件なのは5月に入ってからも同じだと思う。
カサゴをなるべく釣らずにメバルを釣るために、下針の位置を工夫する必要がある。へた釣りの場合、錘から35センチの位置から35センチの枝スを出している。メバル針は軽く、餌となるエビも軽いので、潮の流れがゼロでなければ底に下針が這わない設定になっている。カサゴの魚信は減るが、カサゴの魚信が減る分、下針で釣れるメバルの数は増やせる。といってもいつまでも底近辺に餌が漂っているとカサゴが飛びついてくるので、10秒に一度は大きく竿を頭の上まで持ち上げて、ゆっくり再着底させる。メバルは上から落ちてくる餌を意識しているので、メバルへのアピール度が上がり、メバル率がアップするような気がする。
同じポイントにいるように見えて、エンジン流しで少しずつポイントがずれていっている。誘いの直後に水深が急に深くなった場所が大物メバルが潜むポイントであることが多い。こういうポイントは集中して再着底後すぐにゆっくり聞き上げる。大きく誘うのではなく30センチくらい竿を上げ、魚信がなければもう一度ゆっくり再着底させては聞き上げる。この動作を錘が聞き上げ中に引っ掛かるまで繰り返す。へた釣りが今期釣った25センチ超の大型メバルはこの聞き上げ直後に魚信が出たものが大半。錘が根に擦れたような感触があったらチャンスタイム終了。底の窪みはそこまでなので通常の誘いに戻って大きく竿を聞き上げて根掛かりをかわす。
メバル釣りのコツでもう1つ大事なのは、錘をゴツンと底に着けないこと。メバルの群れが散ると言われている。海中を見ているわけではないので群れが散ったかどうかは定かではないが、底に勢いよく錘を落とすと魚信は本当に減る。ラインのマークで糸が出た量を把握し、着底の2~3メートルくらい手前から指でスプールを抑えながら極力ゆっくり落としていく。この方法で落とせば着底前にメバルが魚信ることもあった。メバルは上を向いて立ち泳ぎしているので、目の前をゆっくり餌が落ちてくるのに弱いはず。
魚信が減るといえば、餌のエビの大きさはとっても大事だ。餌が大きすぎるということはない。大きければ大きいほど魚信は多くなると思う。船に乗るとバケツに入れてエビをもらえるのだが、3本針に大中混ぜて付けていく。へた釣りの場合、大きなエビは真ん中の針。上と下は中サイズのエビを付ける。一番下の針はカサゴに狙われることが多いので、メバルに関しては真ん中の針が本命だからだ。それでは小さなエビはどうするのかといえば……使わないでお代わりをもらいに行くのが正解だと思う。小さいサイズだけが残っていれば船長も怒らずにお代わりをくれる。
メバル釣りで最初に教わるのは、向こうアワセの釣りだから絶対にアワセるなってこと。確かにメバルをアワセにいくと、針の掛かりどころが悪くなってバレる率が上がるし、第一群れを散らしてしまうので百害あって一利なしなのだが、アワセるな=竿を動かすなではないと思っている。メバルらしい魚信があったら、ゆっくりと竿を10センチだけ持ち上げてみる。こうすることで餌が逃げると勘違いするらしくグンッと竿を持って行くことが多い。竿を持って行く魚信になったら、手首の力を抜いて最初の引き込みをいなしてあげるのが良型メバルを相手にハリス切れを避けるコツだと思う。
カサゴへの対処法も竿を少しだけ動かすのが正解だと思う。特に小さなカサゴの魚信を感じたら、これまた10センチくらい竿を持ち上げる。根に潜られるのを避けるためだ。魚が根に潜って根掛かりになるケースのほとんどが15センチ以下のカサゴが原因。大型のカサゴなら潜れないような小さな隙間にも小型カサゴなら潜ってしまうので、小さなカサゴと思われる魚信を感じたら素早く根から引き離そう。根掛かりによる錘や針のロストを大幅に減らせるぞ。小さなカサゴが針掛かりしたら、そのまま底を30センチだけ切ってメバルの追い食いを待ってみると、メバル+カサゴの一荷になることがあるので、リリースサイズのカサゴも使いようだと思う。
ここからは異次元な人たちの釣り方を参照。大小織り交ぜ76匹!な釣行で、異次元な人がどんな釣り方をしているのか目撃しているのである。まず一番の違いはキャストする距離が長い。仕掛けが絡まないように振り込むのではなく、明らかに遠くを狙ってキャストしている。着底したら少しずつ錘を持ち上げ再着底を繰り返し、船から少し離れたポイントを探ってくる。こんな釣り方で根掛かりしないんだろうか?と思うが、根掛かりの回数はへた釣りよりも圧倒的に少なかったので、海底の根の状態を手に伝わってくる感触できっちり把握できているんだと思う。
もう1つは身餌。船で支給される餌はエビだが、異次元の人たちは、サバの切り身などの身餌を使っていることが多い。大型カサゴには身餌の方がよいということだろうか? 身餌の場合、臭いもあるので効率よく数釣りをするには身餌が必須なのかも? でも……へた釣りにとって本命であるメバルにも身餌って効果あるのかな? 身餌にメバルが食っているのは確認できていないが、メバルはサビキでも釣れるので、臭い付き超リアル魚皮サビキと考えれば、食ってきそうな気もする。そういえば身餌のサイズは少し大きめのサビキサイズだったような……。
著者: へた釣り