クロムツの炙りガリタタキが気に入ってガリを常備するようになった。カイワリの刺身を肴に晩酌をするときに大阪のB級カクテルを思いだす。串カツ田中でもメニューにあるので最近東京でも飲めるようになったガリ酎である。カイワリやアジなどショウガ醤油で美味しい刺身との相性は抜群。
大阪ではショウガをよく食べる。紅ショウガの串揚げや天ぷら、練り物に紅ショウガを入れたショウガ天も人気がある。紅ショウガの入っていないお好み焼きや焼きそば、たこ焼きは考えられない。そんなショウガ好きの大阪人が考案した(んだと思う)和製カクテルがガリ酎である。紅ショウガでは味がどぎつくなりすぎるので、寿司屋ガリ=甘酢ショウガを使う。作り方は至って簡単。レモン酎のレモンの代わりに甘酢ショウガを好みの量入れ、甘酢も少し。あとは炭酸水を注ぐだけ。酎ハイの氷は味を薄めてしまうので、へた釣り家ではジョッキに適量の甲種焼酎を入れて冷凍庫で焼酎を凍らせてから氷を入れずに作る。
ガリ酎には寿司屋のガリがそうであるように、口の中に残った魚の味をリセットし、次の一切れを飽きずに食べ進める効果があるような気がする。もともと絶品なカイワリのお刺身ではあるが、ガリ酎のおかげで飽きることなく鮮烈な美味しさを味わい続けることができる。すべての魚のお刺身と相性がよさそうだが、特にアジやイワシなどショウガ醤油で食べると美味しい魚の刺身との相性が抜群なのではないかと。ガリ酎作りに適したガリは白っぽい物より少しピンクがかった物だ。今のところこれなら間違いなしとオススメできるのが雅香岡田の「国産甘酢生姜」。何種類か試したがこれで作ると一番美味い。
著者: へた釣り