その昔、アニメのあるキャラに笑い方と性格がそっくりだと言われた。チキチキマシン猛レースのケンケンだ。あんなに人の悪そうな表情してねぇよと思ったが、北海道遠征中、どうかな?と試してみたことがうまくいきウシシ♪とほくそ笑んでた姿は…ケンケンにそっくりかも?と思い当たる。
クーラーの中に入った魚の数だけを比べれば、もっと大漁だった年は何度もあるが、終わってみれば北海道遠征2015の満足度は低くなかった。魚の活性が低い中、東京湾での釣りの経験則から導き出したやり方で、悪いなりにもコンスタントに魚信を出すことができた。北海道の師匠の釣友で、これまでにも何度か同船したことがあったA木達人には「なんか、上手になってません?」と驚かれたし、初めて会った北海道の釣りのベテランさんから「どうやって釣ってるの?」と質問までされた。釣況が悪い時に悪いなりに対応できる方法を持っていたこと……これが釣りの達人さんたちが言うところの引き出しってやつか!?と気付くとウシシ♪となっちゃったのである。北海道の師匠からも「(あの活性で)ちゃんと追い食いさせられてたんだから、大したもんだよ」と褒めていただく。猛烈にうれしかった。
北海道五目は、錘を底から1メートルくらい切った位置で竿を上下させて誘いを入れて、バルーンサビキに魚が食いついてくるのを待つというのが基本。魚の活性がよければ針数(8~10本)アオゾイやヤナギノマイ、タラが付き、釣りというよりは漁のような体験ができる。ただし、毎回毎回魚のご機嫌がよい日ばかりではない。昨年もあまりいい日に当たらなかったので、そんな日にどう釣るかを考えていた。北海道五目の備忘録2014にも「とことんスケールアップしているが、サビキでやるメバル釣りと釣りの考え方は同じ」と書き残している。2015年も1戦目は「反応はあるのになぁ~」、2戦目も「潮が悪い!」と、2戦とも超低活性だった。低活性時のメバル釣りのやり方が北海道五目で通用するか試してみた。
まずは東京湾でのメバル釣りと同じ方法。着底と同時に糸吹けを取るために一度大きく竿を頭上まで聞き上げる。ゆっくり錘を再着底させて(あまりゴンと落とさない)竿先が曲がるか曲がらないかのゼロテンション状態で待つ。船は流れて行くので、竿先を送って限界までゼロテンションを維持する。船のエンジン音が聞こえたり、竿を送るだけでは間に合わず錘が底を擦る感触があったら、一度大きく竿を持ち上げて錘を置き直す。魚にやる気がないときは動かさない方がよいという低活性メバルの釣り方だ。
ゼロテンションでは一番下の針にしか食ってこないときは、ゼロテンションから1メートルくらい糸を送ってタルマセてみる。こうすることで底近辺に針が近付くだけでなく、幹糸からテンションが抜けて仕掛けが海中で自然に動くようになる。ほかの人が多点掛けができずに苦しんでいるときにこの方法なら針数は無理でもダブル、トリプルは狙えた。その場合、魚が掛かっている針は下から2、3本に集中したので、北海道五目にタルマセが有効なのは間違いない。
ヤナギノマイのポイントは底が砂泥地のことが多いが、アオゾイ狙いのポイントは岩礁、それもガリガリな岩礁のことが多い。タルマセると根掛かりに苦しむことになる。こういうとき有効だったのが、底に錘をトンッと着底させたら50センチだけフワッと糸吹けさせてみる。そのままでは根掛かるので吹けた糸が馴染んだらゆっくりと聞き上げてゼロテンションまで戻す。アオゾイは2匹ともこの方法で釣れた。聞き上げ中にゴンゴンという風に魚信が出た。アオゾイも幹糸のテンションが抜けてフワッと動いたサビキには反応しちゃうってことだと思う。
いろいろやってみたけれどさっぱり魚信がでなかったときに、ゼロテンションだタルマセだと来たらタタいてみるかとイタズラでやってみた。4、5回タタいて仕掛けを止めた瞬間にずっと沈黙していたのに、突然魚信が出た。釣れてきたのはヤナギノマイだった。タタクのも有効なのかな?と、その後何度か試してみたが、もう一度だけタタいたおかげで釣れた?ってことがあったけど、効果があるのかないのかは自信を持てない。パターン1~3までを試してみてもダメだったときの最後の手段かな?
著者: へた釣り