ウィリーなのに動かさない方が釣れるの?なんて、魚相手に通じるはずもない不満を口にしていたへた釣りもやっとここまできた。剣崎沖のウィリーイサキは6月1日から8月31日までの3カ月間の釣りだが、前半と後半で攻め方が全く違う。仕掛けもシャクリ方も違うってことにようやく気付く。
ヒントはいっぱいもらっていたように思う。剣崎沖のイサキに初挑戦したときに教わった釣り方は、50センチ竿をさげて力を入れずに水平の位置までしゃくってピタリと止めるだった。待ち時間は3秒。次に大型の狙い方として教わったのはフワフワと30センチ刻みで6、7回コマセを振って狙ったタナで20秒待つ。いずれもシーズン初期のまだコマセへのイサキの反応が鈍いときに教わった釣り方だ。シーズン後半はビュンビュン竿を振って、コマセに突っ込んでくるイサキを掛けていく。こちらは割と得意だ。これで釣れたという印象が強かったので、シーズン通してビュンビュンシャクリまくっていた。間違いだったと、4シーズン目を終えてやっと気付いた。シーズン初期に全く釣れない理由も分かった。時期ごとのイサキの状態を見極めて、戦略を練らないとダメなのだ。今、分かっていることをメモに残しておく。
シーズン初期は、こんなイメージなんじゃないかと。コマセを振ってイサキに餌の存在を気付かせる。ただし、コマセに突っ込んではこない。じっと見極めてから食ってくる。ビシは下全閉で、上窓は1/3開けておくくらいかな? 仕掛けを止めたあとも潮流などでコマセがポロポロとこぼれるのが理想。ビシの窓が開き気味なのであまり強くシャクらないで、待ち時間は3秒~10秒くらい。タナを決め打ちできているなら魚信があるまで待つのもありみたい。ビシをあまり強く振るとイサキがビビって食いが悪くなるという人もいる。ソフトにシャクってじっくり勝負がシーズン初期のパターンみたいだ。
仕掛けの全長もシャクってシャクって魚信を出すというスタイルではないので、3メートルくらいの物がいいみたい。この時期に限れば、下針にオキアミやイカなどの餌を付けた方が釣果がいい日もある。下針が空針になっている仕掛けも1個2個持って行った方が釣果をまとめやすい。ただし、ウィリー針にアジ釣りで使うような小粒のイカ短を付けると全く食ってこなくなった経験があるので餌を付けるのは下針だけにしといた方がよさそう。また「群れから離れて様子を見ている大型を狙うのに4メートルの仕掛けが有用」(一之瀬丸・瀧本船長)とも教わったので、空針仕掛けの1つは全長4メートルで作ってみるのも面白いかも。
イサキがコマセに慣れてビュンビュン上下するビシにビビらなくなってきたら数釣りシーズンの開幕。7月中旬以降からこうなる可能性がある。1シャクリごとに少量ずつ撒かれるコマセにイサキの群れが突っ込んでくる。本当に活性のいいときはスレ掛かりも結構発生するので、かなりの数のイサキがウィリーの周りに集まっていると思う。1シャクリあたりに撒くコマセの量はかなり絞る。ビシの下は全閉で上窓は2ミリくらい空いていればよい。強くシャクってやっとコマセがこぼれるくらいが適正だ。イサキの群れはビシにではなくコマセに反応するわけで、撒いたコマセが一瞬でイサキのお腹に収まるのをイメージする。これなら流れて行くコマセを追いかけ群れが散ることはないし、ウィリーに食いついてくる確率も上がる。
シャクリの速度は50センチ刻みで待ち時間ほぼゼロから試してみる。魚信がなければ待ち時間を1秒にしてみる。コマセはシャクった瞬間にしか出ないように調整してあるのでそれ以上待ってもあまり意味はない。待ち時間ゼロ~1秒で魚信が出るまでシャクリまくるのが正解だと思う。このとき仕掛けの全長は短い方がよい。全長3メートルの仕掛けを使うと1番上の針か2番目の針でしかイサキが釣れなかった。待ち時間が短いので長い仕掛けの下の方の針が潮に馴染む前に次のシャクリが始まっている、おそらく下の方の針にもイサキは食いついているのだろうが、仕掛けが張ってないので魚信がでないし針掛かりもしにくいんだろう。潮の速さにもよるんだろうけど全長2.2~2.4メートルの仕掛けが適当なのではないか考えている。さらば剣崎沖イサキ!釣行で、今季唯一のトリプルを達成したのは全長3メートルの仕掛けを詰めて作った2.3メートルの仕掛けでだった。
どこまで正解なのかは、2015年6月の剣崎沖イサキの開幕を待つしかないわけだが、へた釣りの妄想脳の中では理にかなっているような気がしているので試してみる価値は十分ある。イサキの釣り方&仕掛けに一家言も二家言もある一之瀬丸・瀧本船長の助言も得ているので、全くの見当違いではないとは思う。
著者: へた釣り