年越しくらいはまともに家族サービスしろっ! 妻1号と子供たちの言い分はもっともだ。1泊だけはちゃんとした料理とお風呂のある宿に泊まる。伊東駅近くのやまだ屋という旅館がお気に入り。元日は毎年のことなのだが来宮神社に、酒難除けと大漁祈願、商売繁盛をお願いしに初詣。
伊東駅から徒歩3分の距離にあるやまだ屋。全室離れの小規模な旅館だが、なんだか田舎のお婆ちゃんの家に里帰りしたような気分になるので、気に入っている。今年で4年連続で年越しの宿はここなのだ。離れなので子連れで少々騒がしくて気兼ねがないし、宿のスタッフの人たちのどうぞ気ままに過ごしてくださいという接し方も個人的には好き。離れごとに掛け流しの温泉風呂がついている。大浴場とは言わないが、貸切の家族風呂としては十分すぎるほどの広さで、いつでも入りたいときにポチャンと風呂に飛び込める。5分だけ温まろうなんてわがまますぎる温泉の楽しみ方ができる。
やまだ屋の料理。夕食は漁師町ならではの豪快さと板前さん頑張ってるなぁという繊細さが二律背反せずに同居している感じがして、すごく好きだったりする。お刺身の盛り合わせがどーんと来たかと思えば、前菜はすごく丁寧に盛り付けてあってへぇ~と関心していると、カサゴの煮付けがデンと目の前に置かれる。夕食以上に楽しみにしているのが元日朝のお節料理。大根やカボチャで彫られた鶴や亀で賑やかに飾り付けられたその年最初に口にする食事は、レンコダイのお頭付きの焼き物まであり、華やいだ気分を味わえる。味付けも関西出身のへた釣りが好む感じになっている。
お節料理に大満足したら、来宮神社に初詣に出かける。酒に意地汚く、あればあるだけ飲んで正体を失くしてしまうことがあるへた釣りは、この神社で酒難除けを祈願しお守りを買うのを毎年の慣わしにしている。今年は酒難除けのお守りを会社の人数分買ってお土産にすることに。会社の人が酔っ払ったへた釣りから迷惑をこうむらないようにと祈願しておいた。大漁祈願、釣行安全もお願いした上に、家内安全、健康長寿、さらに商売繁盛もお願いしておく。家庭と健康に問題がなく、商売もうまくいっていないと、釣りしている余裕がなくなっちゃうもんねw
来宮神社には、天然記念物にも指定されている樹齢二千年の大楠がある。なんでも、この大楠の周りを一周すれば寿命が1年延びるそうなので、毎年初詣に訪れて1周しておけば、不老不死になれるはず。本殿への参拝以上に長い行列ができていたが、今年もちゃんと一周してきた。人出が多すぎて、厳かな雰囲気というわけにはいかないが、スピリチュアルな空気を感じるこの大楠も伊豆のお気に入りの空間の1つだったりする。
著者: へた釣り