何度か釣って食べたことがあるので美味しい魚だとは知ってはいるが、青物釣りが苦手なためになかなか安定して釣ることができないのがカンパチ。宇佐美で釣ったのは実に4シーズンぶりのこと。無事タモに入った瞬間から食べることばかり考えていた。秋のカンパチは期待を裏切らない。
釣行日の夜に少しだけ味見をした。熟成不足は否めなかったがそれでも十分にカンパチらしいさっぱりとした脂の旨みを感じられた。サクどりして一晩寝かせてから、お刺身に。しっとりとした食感が楽しい魚なので少し厚めに切る。熟成が進んだことで旨みは増しているがくどさはなく、その気になればいくらでも食べられる味わい。居酒屋などで食べられる養殖カンパチに比べると脂の量は劣るが、脂の質は断然釣り物が勝る。2日目、3日目とさらに旨みが増していくはず。それでいて食感のよさを失わないのがうれしい。
お刺身を食べきったらカマは塩焼きにしていただく予定だが、お酒のあてにもう1品。ウロコをそのまま残して皮を引いて揚げる。塩を少し振りかけると皮煎餅ができる。小さなウロコが逆立って、サクパリとした食感になり、美味い魚は皮まで美味いの法則通りにカンパチの皮は美味い! お供は酔鯨 純米吟醸 吟麗秋あがりと松茸の土瓶蒸し。カンパチをへた釣り家の秋の味覚の一つとして定着させるために、カブラ(カッタクリ)とアジ泳がせの二股釣法の精度を高めていきたい。
著者: へた釣り