良型率100%とは大きく出たものだが、3匹釣って尺超え2匹と25センチ超え1匹なのだから、同じポイントで釣れているカイワリと比較すると有意に良型率が高いと言って問題ない。カイワリングだと夏に小魚を捕食しているカイワリの中からお刺身で絶品な良型を狙って釣れる可能性がある。
カイワリは船中1匹だけと大苦戦した日に唯一釣れたカイワリの胃の中には小魚は入っていたが、コマセとして撒いているアミエビは入っていなかったと教わる。ボウズをくらうことはあまりないが、夏場のカイワリは魚信を出しにくく釣果が安定しないという傾向があることには気づいていた。夏のカイワリがオキアミやアミエビなどの甲殻類ではなく、小魚を好んで捕食しているなら暑い時期に限って苦戦し、反応はあっても口を使ってくれない説明がつく。小魚を捕食しているならと試してみたのが、小魚を模した土佐カブラを使った仕掛け。オキアミで釣っていた名人が魚信を出せないすぐ後ろで良型を連発できたのだから、夏カカイワリの攻略法として土佐カブラのカイワリングはありだと思う。
仕掛けはウィリー仕掛けと同じフロロ2.5号で作った。全長は3メートルで90センチ、160センチ、230センチの位置から三方編み込みで枝スを出した。土佐カブラは上からピンク、白、緑、白。枝ス長は12センチで作ったがカブラを交換した際に10センチくらいに詰めても食ってきた。3匹釣れたカイワリが食ってきたのは白、緑、白だった。フロロ2.5号だとカブラの結び目がカブラの穴を抜けてしまうことがあったので結び目の作り方は要工夫。
カイワリはもともと超高速なシャクリに反応する魚だと思う。土佐カブラをなるべく高速に動かせるように、抵抗が少ないスリムビシを使った。ビシにはコマセのアミエビをミチミチに詰めて、上下のコマセが出る窓は全閉。スリムビシの上窓は閉め切ってもアミエビがギリギリ通る隙間があるので少しずつコマセがこぼれる。カイワリを寄せるコマセではなく、エサとなる小魚を寄せるコマセなのでアミエビの臭いというかエキスがビシにたっぷり残っている方がよいと考えた。
尺超えカイワリの最初の一撃は想像以上に力強かった。カイワリ用に少し緩めのドラグ設定をしてあったが、カイワリ?と思われる魚信の直後にカブラがなくなっていたことがあった。良型の出現率が高いので、ドラグはカイワリならこれくらいと覚えている状態よりもう1クリックくらい緩めておいた方がよいかも。3匹しかサンプルがないが、土佐カブラはカイワリの口のいいところに掛かることが多い気がする。カブラの重みで海中での姿勢が安定しているから?
使用したカブラは8号の物。カブラ部含む全長は3センチで、魚皮部は2.5センチ。カイワリの口の大きさを考えると針のサイズはカブラ8号くらいが妥当と思う。良型ばかりが釣れるのはカブラのシルエットが大きすぎるからという可能性がある。小さい物を釣りたいわけではないが、シルエットを小さくすることで25センチ級の魚信が増えるかどうか、魚皮をハサミで切って試してみたい。
著者: へた釣り