マダイを釣らせたい金沢八景・一之瀬丸の瀧本船長は「誘い下げで食わせる」と何度も指導してくださった。聞く耳を持たなかったわけではない。効果的な誘い方を知らなかったのである。波の上下でドラグが出る感じという知識だけあった。知らないのは癪。マダイの誘い方を調べたよ。
イシダイの誘い方で昨年覚えた方法は予習してあった。指示ダナより4メートル下までビシを落とし、そこでまずはコマセを1振り。竿を下ろしながら2メートルラインを巻き取り、そこでもう一振り。もう一度竿を下ろしながら2メートル巻き取って仕掛けが馴染んでコマセと同調するのを待つ。20秒から30秒くらいで勝負がつくことが多く。そろそろ仕掛けが馴染んだかな?という瞬間にガツンと穂先が海面に突き刺さる。この方法で昨年はイシダイ多めでマダイも釣れた。
問題はこの最初のコマセとの同調で魚信が出なかった場合。へた釣りはすぐにまた4メートル仕掛けを落として最初に戻るを繰り返していたのだが、イシダイにはよくてもマダイにはもっといい誘い方があるようだ。それが船長が言っていた「誘い下げ」。マダイは上から落ちてくるエサにより反応するようで、落とし直すのではなく2メートルくらいゆっくり竿を持ち上げる。メバルの誘い同様、太極拳の動きでいいみたいだ。2メートル持ち上げたら今度は太極拳の動きでゆっくりと落としていく。持ち上げているときより落としているときの方が魚信が多いので「誘い下げ」が有効と言われるみたいである。
コマセの出具合で推測すると、最初の2振りでコマセの1/3~1/2くらいがなくなる。2メートル幅の誘い上げ→誘い下げを2セットすればコマセを撒き切るようなイメージかな? この釣り方なら置き竿モードで動作が停止しているのはタナで仕掛けとコマセが同調するのを待つ20秒~30秒だけ。あとは休まず竿を操作することができるので、多動性中年でもなんとかなるかも……マダイよりイシダイが本命という舌の好みは変わらないけど。
著者: へた釣り