釣れな~~い。数少ない魚信を物にするのがマゴチ釣りの醍醐味なのに、3打数1安打では釣果を伸ばせるわけがな~~い。というわけで、1匹だけと貧果に終わった2012年のエビマゴチ2戦目を反省してみる。竿頭の人は5匹釣っていたのだから、せめてあと1本はものにしとかなきゃね。
想像してみたけど、ただの空想かもしれないし、妄想の類の可能性もある。海中に潜って見てきたわけではないので、間違えていたらごめんである。でも、うまくアワセが決まったとき、スッポ抜けたり、早アワセになってかすりもしなかったときの手応え、もどってきた餌や針(マゴチの歯に針が当たったかどうか確認するために細くやわらかい糸錘を使っている)の状態から、だいたいこんな感じなんじゃないかなぁ~と感じたことを書いてみる。見えもしない海中の状況を想像……空想?…妄想?するのが釣りの楽しみの1つだと、へた釣りは思う。
教科書通りに餌に食いついたマゴチの魚信には、コッコッという前魚信、クンックンッという中魚信、グゥーンという本魚信の3つのフェーズがある。コッは餌にマゴチが噛みついたという手応え。マゴチは餌を後ろから襲うことが多いので、エビにしてもハゼにしても針のある頭まではまだ口に入っていない。クンックンッという中魚信は、マゴチが口の奥まで餌を飲み込もうとしている手応えと思う。マゴチはその歯の形状や戻ってきた餌の状態(ハゼ餌だと確認しやすい)から想像するに、餌をすり潰すようにしながら飲みこんでいく。餌をすり潰し終わって針ごと飲み込み、その場を立ち去ろうとしているのがグゥーンという本魚信。
本魚信中、口の中にある針は、エラや口の中に立っている状態。マゴチの口の中は硬いので、口の中に針掛かりすることはない。エラ付近の身に掛かるか、口中を滑って唇に針掛かりする。理想は唇への針掛かり。エラに掛かるとマゴチの歯でハリスを切断される。何匹かエラ付近に針掛かりさせたことがあるが、獲れたのは小さなサイズばかり。大型は唇に掛けてハリスが歯に触れない状態でないと釣りあげられないと思う。本魚信に変わってからの大きな引き込みを1度~2度くらい見逃した方がいい(この回数がその日の活性によって違うのが悩みどころ。2回目にアワセるのがハズレが少ない気がする)とされるのは、エラに針掛かりさせないためだと思っている。
教科書通りに魚信がでないこともある。潮が流れてなかったり、マゴチの活性が低いときは教科書通りにいかない方が多い。一番悩ましいのは前魚信から中魚信になってからいつまでたってもアワセの目印である本魚信に発展しないケース。これは2パターンあると思われる。1つめは、潮が流れずハリスが張っていないというケース。ハリスが張っていないと当然だが、マゴチの口の中で針先が立たず、本魚信にならない。対処法は竿を少し聞き上げてハリスを張ること。ハリスを張ると本魚信の最中でグゥーンと引き込まれることがある。潮が流れてない時は、聞き上げ、送り込みを短いスパンで繰り返して本魚信を感知するのが大事みたいだ。
もう1つのパターンは餌を食べているマゴチが小さすぎるとき。メゴチサイズのマゴチ、30センチくらいのマゴチだと餌のエビやハゼがなかなか口の中に入っていかないということがある。釣ってもうれしくないので、ハリスを何度張っても本魚信にならないときは諦める。一度粘りに粘って針掛かりさせたことがあるが、餌を噛みつぶせていなかった。アワセたときに餌(このときはハゼ)がハリス方向にずれて偶然、口に針掛かりしたという状態だった。釣ってもうれしいサイズではないので、「大きくなれよ」と餌をくれてやるのがいいかも。
と、ここまで考えて、どうしても説明できないのが、速攻型のマゴチ。前魚信のあと、ほとんど間をおかず本魚信になる。口の中で餌をすり潰して飲み込むというマゴチの捕食の一過程がごく短い時間で済んでしまう。針に巻いてある糸錘の状態をみると、すり潰すという過程を速攻型マゴチが省略しているわけではなさそう。ちゃんとすり潰した歯型が残っている。速攻型マゴチはアワセを決めやすいので実害はないんだけど、人間にも早食いの人がいるみたいに、メチャクチャ咀嚼が早いマゴチもいるってこと? 速効型はギャル曽根マゴチ?
著者: へた釣り