10メートル以下の浅場でも釣れ始め、好調が伝えられる東京湾のシロギス釣り。投げ釣りで豪快にでもいいのだが、数、型で満足度が高いのは何と言っても船シロギス。25センチ級が混じるし、束釣りだって夢ではない。へた釣りはもちろん…束釣りなんてしたことないんだけどwww
東京湾では年中シロギス船が出ているが、水温の低い冬場は水深30メートルくらいの深場で釣る。落ちギスと呼ばれる越冬ギス狙いのため、サイズは期待できるのだが、あまり数は期待できないし、プルプルという小気味よい魚信を感じて楽しむという釣りではないのでシロギス一筋な人向け。初夏になり水温が上昇してからが、船シロギスのシーズンだ。水深10メートル以下で釣果が上向き、上手な人なら束釣りできるようになれば、船シロギス入門には最高の時期だ。5月中旬以降はまさにそんな季節。
■いろいろ使えるキス竿+PE1号以下のスピニングリールを買う
そろえるタックルは1.8メートル前後のキス竿とPE1号以下を巻いてあるスピニングリール。東京湾の船宿では錘15号~20号を指定されることが多いので、20号の錘が適合する竿を選ぶ。キス竿として売られている竿は5号~25号の錘負荷のものが多いのでどれを選んでもほぼ問題ない。調子は7:3のものが多い。感度優先ならぎりぎり20号が使える竿(メーカーによってはSと書かれているもの)が有利。キャスト命って人は25号が使える竿(メーカーによってはM)の方が、飛距離を出せる。キス竿はマゴチやカレイ釣り、テンヤマダイにも流用できるので、1本持っていて損はない。
リールはドラグ性能がどうこうなんてことは問われないので、PE1号を100メートル以上巻けるスピニングリールならなんでもいい。キャストしたあとリーリングでサビくことになるので、スムーズに巻ければそれに越したことないが、ワゴンで1000円くらいで売っているものでもなんとかなる。高価なリールほどライントラブルが少なく、飛距離も伸びるけど、まぁ、最初は気にしない方向で。将来、ルアーなんぞにも挑戦してみたいって人は、ちょっと高めのリールを買っておけば、流用できるはず。
へた釣りのタックルは、
竿:ダイワ FILDER KISU 180
リール:シマノ レアニウム CI4 2000S (PE0.8号)
30センチくらいフロロ2号の先糸を結んで、スナップサルカンでキス天秤につなぐ。仕掛けは全長80センチの流線7号2本針のものを基本に、全長60センチ(2本針)~全長120センチ(3本針)まで用意している。仕掛けが長い方が食い渋り対策になるらしいのだが、長ければ長いほどからみやすい。
■丁寧に餌を付けよう! 糸がらみしないキャストはサミング必須
タックルの用意ができたら次は餌付け。餌は東京湾の場合アオイソメであることが多い(どうしてもジャリメを使いたければ持ち込み)。頭の固い部分をハサミで切り落として、通し刺しにする。餌の全長は3センチ~4センチ。手返しをよくするためにあらかじめこの長さに餌をカットしておき、海水で湿らせたタオルに挟んで置いておくとよい。最初はタラシを2センチくらいで始め、魚の活性が高い場合は、タラシを1センチくらいまで短くしてチモトにこきあげる。逆に活性が低く魚信が遠い場合は、タラシを少しずつ長くして様子をみよう。
キャストはアンダーハンドが基本。天秤を竿先15センチくらいの位置まで巻き上げ、竿を頭上に振り上げるようにしてキャストする。20メートルも飛べば十分。飛距離があれば広い範囲を探れて有利ではあるが、投げ釣りとは違って、船はシロギスがいそうなポイントの真上にいるわけで飛距離=釣果にはならない。船シロギスのキャストで重要なのは仕掛けを絡ませないこと。着水直前からサミングを効かせて仕掛けと天秤をカーブフォールさせる。浅場での釣りならサミングどころか、着水したら糸を出すのを完全にストップさせてもいい。アンダーハンドキャストで20メートル飛ばせば糸ふけは5メートル以上は出ているはずだから飛距離のロスはほぼない。
■魚信を出すためにゆっくりサビき、プルプルきたらアワセろ
底をとったらゆっくりと、リールを巻いて手前にサビいてくる。このとき竿先は海面に向けておくと、魚信があったときにアワセやすい。1メートル巻きとるのに5秒くらいかけるイメージで。リールを巻くのが重く感じたときは、海底に変化がある場所なので、リールを巻くのを少し止めて待ってみる。足元まで巻いて魚信がなければ2、3度、足元を錘で小突くように誘ってそれでも魚信がなければ仕掛けを回収。回収したら餌をいじられてないかをまめにチェックしよう。餌が古くなっていれば当然、交換。
天秤より先は吹き流し式になっている仕掛けなので、仕掛けがきちんと張っている方が魚信が明確に竿先や手元に出やすい。潮流の影響も受けるし、船が流される影響も受ける。とにかく仕掛けをずっと張った状態にするためにリールを巻くのを止めないのが魚信を増やすコツ。竿をゆっくり上に持ち上げてサビき頭上まで誘ったら竿を下ろしながらリールを巻き取るという方法もあるが、リーリングでサビいた方が魚信があったときに対処しやすい(竿が頭上近くにあったときに魚信が出るとプチパニックw)。
魚信は、明快に竿先&手元にプルプルと伝わってくる。魚信を感じたら、慌てずに竿を頭上に持ち上げる。あまり強くアワセてはいけない。リールで巻いているスピードよりも少し早く仕掛けが動かし錘を持ち上げるような感じで、竿先をグウゥゥゥと頭上へ。持ち上げている最中にプルプルがブルブルに変わったら針掛かりした証拠。ゆっくり一定の速度でリールを巻いてくる。この巻き上げ中にもう一匹が針にかかることが多いので、慌てて巻かずにゆっくりと。
■ゲストの魚信も結構楽しい。魚信だけで何の魚か分かるかな?
シロギス釣りの定番ゲストはメゴチ。体表がヌルヌルしているし、触るとエラの棘を立ててささやかな抵抗をするしでなるべくなら釣りたくない。メゴチが釣れるときは、サビくスピードが遅いということなので、少しリールを巻く速度をあげよう。でも、メゴチとシロギスは同じポイントにいることが多い。メゴチっぽい魚信のあとにシロギスの魚信が出ることがあるので集中しよう。1匹のシロギスが2本の針に食いついていたときもサビく速度が魚の活性に対して遅すぎる証拠。
大きなシロギス?と一瞬喜ばせてくれるのが、イシモチ。魚信の出方がシロギスのプルプルとは違い、ガッガッという感じなので、よくよく考えなくてもシロギスではないことは分かるのだが、シロギスにはない強烈な抵抗をしてくれる魚なので、シロギス10匹にイシモチ1匹くらいの頻度なら引きを楽しむという点ではうれしいゲストだったりする。
根掛かり?という魚信は、イイダコであることが多い。根掛かりっぽく竿が重くなっただけなのに、リールを巻けばなんとか巻ける。そんなときは大きく竿をしゃくらずにゆっくりリールを巻いてくると、かわいいサイズのタコが針掛かりしていることが多い。シロギスの天ぷらを作るついでにイイダコも揚げちゃえば食味という点でうれしいゲストになったりする。
著者: へた釣り