投げ釣りならリーリングで針掛かりすることが多いシロギスが船やボートからだと、どうしてこうも針掛かりしないのか? 昨年からの悩みである。最近の釣行でも63魚信でゲットできたシロギスは13匹。世にはシロギスなら束釣りできて当たり前って人だってたくさんいるのに……。
投げ釣りなら釣果の差がつくのは分かる。遠投できる距離によって探れる範囲が違うし、群れが散ったらラン&ガンで砂浜の上をまめに移動。離岸流を見つけてシロギスの群れが付きそうなポイントめがけて的確にキャストしていく。一度、シロギス釣りの上手な人と投げ釣りをご一緒したことがあるが、飛距離も違うし、移動の判断の速さ、へた釣りの目には大して変わらないように見える砂浜から見たポイントの見極めの正確さに驚いた。魚信の数が全く違うのである。キャストの飛距離、正確さをまずは磨いてから出直すしかない。
これが船釣りになると、事情が変わる。キャストといってもアンダーハンドなので、飛ぶといってもせいぜい30メートルくらい。飛距離の差はない。ポイントの見極め・移動は船長次第なので、これも互角。餌の付け方や仕掛け選びで若干の差はあるにしても、魚信の数は上手な人とへた釣りとでそう変わらないはずである。餌を吸い込んで捕食するシロギスは魚信が分からないほど小さな魚信を出す魚でもない。なのにこの釣果の差。へた釣りが船シロギスで釣果/魚信にこだわる理由はこれである。当面の目標は3割。最終目標は5割以上でシロギスをゲットできるようになりたいのである。
■3割打者への道 船シロギスに必要なアワセってこんな感じ?
まずは投げ釣りだと、アワセがほとんど必要なく、リーリングだけで針がかりする理由。遠距離からサビいてくるので、道糸の角度は寝ている。根がある場所で釣ると分かるのだが、天秤の仕掛けを接続するアームが出ていない側の錘の塗料がはげたり傷が付いたりしているので、海底で仕掛けのアームが上を向いて立っていると想像される。シロギスが餌を咥えると、仕掛け側のアームが引っ張られ、元に戻ろうとする力で自然と針がかりするというイメージだろうか。投げ釣り用の天秤は、魚に引っ張られたときに元に戻ろうとする反発力が働くものが多い。このアームの震えが投げ竿に魚信として伝わってくる。これにリーリングの力が加わると、シロギスはほぼ向こうアワセで針がかりしていると考えられる。
一方の船シロギス。狙う水深によって角度の差はあるものの、よほどの浅場で大遠投した場合を除いては、道糸は立っていると考えてよい。シロギスが餌を捕食すると、天秤は一直線になり、道糸が引かれた力が竿先や手元に魚信となって伝わってくる。投げ釣りの天秤ほどにはアームが戻ろうとする反発力はない。むしろ道糸と一直線になり、魚信を竿先に伝えるのが船用キス天秤の役目である。とすると、船シロギス釣りにはアワセは必須であることが分かる。かといって強いアワセはシロギスの口から針を抜けさせることになるので、海底に付いている錘を少し持ち上げ、錘が海底に沈もうとする重さを利用して仕掛けを張って針がかりさせるのが群れを散らさなくて理想的な気がする。分かったとしてもできるかどうかは分からないけどwww
船シロギスは浅場ほど魚信があっても針がかりさせにくいという話がある。これは反発力のない船用天秤を使っているのに、道糸が寝気味のため、錘を浮かせるために竿先を大きく動かさなくてはいけないからと説明が付く。
著者: へた釣り