どんな釣果のときでも船長は何匹釣れました?と聞きにくる。目標に89匹足らず釣行ではあまりの貧果に子供が「みっちゅ」とやるように指を3本立てて報告した。1匹だったら…中指立ててたかもw 船長は釣れなかった理由を説明してくれた。潮が濁ってイサキには悪条件だったらしい。
潮が濁った、澄んだ。あるいは単に潮が悪いと船長から説明されることがよくある。水深が浅く底が見える堤防からなら潮の濁り具合、澄み具合はすぐに分かるが、船の上から海の色を見ても正直、よく分からないことが多い。オモリやビシなどが見えなくなる時間で潮の澄み具合は判断できるそうだが、なかなか難しい。湾奥のメバルで薄めのインスタントコーヒー色になっているなど極端なときなら分かるけど……。潮の清濁が魚の食いに影響を与えていることがあるのは経験的に分かっている。
剣崎沖のイサキは濁り潮が嫌いらしい。アミコマセのアシストがあるとはいえ、無味無臭のウィリーに反応するってことは目で餌を追っているわけで、潮が濁るとウィリーを見つけられなくなり反応はあっても食ってこなくなるってことかな? 一方イサキは本来は夜行性の魚と聞いたことがある。磯などでは夜釣りで入れ食いになるらしいのでややこしい。一般的には夜行性の魚は濁り潮の方が活性が上がることが多い。ウィリーでイサキを狙うなら濁り潮はよくなく、少なくとも濁りすぎはよくないってことかな?
夜行性が強く濁り潮を好む魚の代表がメバルとタチウオだ。メバルは海が茶色く濁ると途端に食いが立つ。タチウオは濁り潮だとタナが浅くなり活性も上がるという傾向がある。現在のタチウオのポイントは剣崎沖からさほど遠くはない富津沖の水深15メートル前後。この近辺の潮が濁り潮であると推測できる。イサキのポイントは剣崎沖に特定できるので、タチウオが近辺のポイントのどの水深で釣れているかを調べると、イサキが釣れる潮かどうかを予想することができる?
実際には少々条件が悪くても大好きなイサキ釣りに行っちゃうんだろうけど、船上で思ったような釣りができないとき、「富津沖の10メートルでタチウオが釣れてるようじゃ、イサキは厳しいね」なんてことを船上で呟いてみるとなんだか釣りが上手になった気分くらいは味わえて、自分を慰めることができるのではないかと……。自己最大34cmで型◎&6月最多61匹で数◎釣行のときはタチウオの水深は50メートル前後だった。
著者: へた釣り