釣りの入門シーズン到来。のんびり釣りを楽しめる堤防や海釣り公園では、仲間同士だったり、子供連れだったり、彼女と一緒だったりする、買ったばかりの入門釣り具セットを手にした人たちと出会うことになる。この時期になると思いだす、ちょっぴり涙目になった出来事をいくつか書く。
あまり釣れない堤防で釣りをしていたら、彼女連れの男がすぐ横にやってきた。「釣れますか?」と聞かれて、普通に挨拶を交わす。ジェット天秤と仕掛けがセットになったちょい投げ入門セットを伸ばし始めた姿を横目でチラッと確認しただけで、彼女連れだし、2人でイチャイチャしながら釣りたいのであろうから、あまり関わらないようにしようとしていた。なかなかキャストした音が聞こえないなぁ~と思っていたら、彼氏の「あの~~~」という申し訳なさそうな声がする。「結んでもらえませんか?」。どうやら道糸と天秤との結び方が分からないで悩んでいたようだ。糸を結ぶくらいお安いご用なので、結んで、締めこむ際にラインをツバで濡らすと、「汚っ!!」。彼女の嫌悪感を露わにした声。こうしないと摩擦熱で…と説明しても仕方がない。若い女の子がおっさんのツバの付いた物を触りたくないという気持ちも分かる。結び終えた道具を彼氏に返しながら、偏光グラスの奥でちょっぴり涙目になったへた釣りなのであった。
これまた堤防。割と人の多い堤防で、子供連れの家族が何組かいた。小学生低学年くらいの子供がどうやら釣りに飽きてしまったようで、ウロチョロウロチョロ。へた釣りは優しいおじさんに見えたようで、なつかれてしまう。自分の親のとこにいるよりもへた釣りの横にいる時間の方が長い。ずっと話しかけてくるので釣りに身が入らない。ちょっと弱ったなぁ~と思いつつも子供が迷惑をかけることはへた釣り家でもあることなので、それなりに相手をしてあげる。そのうち尿意が…。仕掛けを巻き上げ、竿を堤防の上に置いて(←これがよくなかった)、港入り口のトイレへ。戻ってみると、あれ??? 竿が折れてる……。「さっきの子がウロチョロしてたぞ」と横の人に教えてもらうが……その子が折った(踏んだ?)という証拠はない。堤防に竿を置いて目を離した自分も悪いよなぁと思い、予備竿を伸ばした。どう考えても折ったのはさっきの子だよなぁ~。だって、その後へた釣りのところに一度も来なくなり、親の傍にべったりだもんwww サビキ用の安い竿だし、踏まれるとこに置いといたのは自分だから怒らないのになぁ~。ちゃんと謝ってほしかったなぁ~。
本牧海づり施設にて、家族でサビキ釣りをしていた。かなり混んでいた。へた釣りと妻1号で子供たちを挟むようにして、オマツリなどで、ほかの人に迷惑がかからないようにと気をつけて釣っていた。へた釣りの隣は中学生のグループ。話をすると14歳と言っていたので中2かな? 全員丸ボウズだったので、クラブの友達か何かだと思う。混んでいたとはいえ、1メートルくらいは離れて釣れるスペースはあるのだが、気がつくと横の子はへた釣りにびったりくっついてくる。当然、オマツリ。その子の横は2メートル近く空いている。「もうちょっとあっちで釣ってよ」とお願いしたのだが、気がつくとジリジリジリジリへた釣りの方に寄ってくる。オマツリも嫌だが、それ以前に気持ち悪い。子供たちも「あの人キモい」と怯え出す始末。どうやら自分が釣れなくて、すぐ横で釣れているのは、魚の通り道がへた釣りのすぐ下にあると考えたらしい。中2男子らしいアホな着想だが、狂っているのは水平方向ではなく、垂直方向、つまりタナである。どうせ言うこと聞かないヤツにそのことを説明するのも面倒なので、オマツリしにくいように竿の長さを変えて対応した。へた釣りにぴったりくっついたところで釣れないってことには最後まで気付かなかったみたいだ。
著者: へた釣り