釣り漫画で楽しみにしているのが「激ウマ! 釣り船御前丸」。週刊漫画TIMESというキオスクでは少々手に取りにくく、電車の中では広げにくい上に家にが持って帰れない雑誌に連載されている。コンビニ向け単行本としてようやくまとめて読めるようになった。8月20日に第2巻が出ていたぞ。
基本、オヤジ向け雑誌の作品なので、父娘で営む船宿を舞台にした人情話なわけで、ワケありな釣り人と船長である強面の父と、かわいくて元気いっぱいな女子高生にして上乗りさんの海奈ちゃんのからみでお話は展開していく。第2巻「激ウマ! 釣り船御前丸 豪快!活け造り編」でも、ウェブサイトを作って繁盛している船宿の真似をしようと奮闘してみたり、マダイを狙って大挙して押しかけた釣奥さま軍団に翻弄されてみたり。ここまでコミカルではないにせよ、船宿や船上で見たことがある(少なくとも実際にあってもおかしくない)光景だったりするので、船釣り好きなら変な笑いのツボが随所にあるオススメの漫画だ。
で、これが海奈ちゃん。とにかく明るく元気で頭より先に体が動いちゃうタイプの女の子だ。高校3年生(精神年齢はもう少し幼い?)だから、船宿の手伝いは土日のみ。結構何にでもからみたがる超おせっかい体質なので……といっても釣り船が舞台なので、大事件ではなく小事件を巻き起こしてくれるわけである。「御前丸に乗ったからには釣りを楽しんでもらうのがウチの決まりなんだ!!」と、釣り方を密着指導してくれる(←一部妄想)。
釣りの腕前は相当なもんのようで……釣り勝負を挑もうものなら……「チャッ、チャッ、ムッ」と怒筋を立てて相手をしてくれたりも。こんな上乗りさんのいる船宿、リアルであったらマジで毎週行く。釣り物に全く関心なくても、海奈ちゃんに会いに行く。ただし、作中の御前丸はいつもガラガラ。燃料代が出るか出ないかのギリギリ経営状態だったり(このあたりもなんだかリアルで好きw)。
海奈ちゃんがいるのにお客さんが来ない理由……思い当たるのはこの人。海奈ちゃんのお父さんにして船長さんが強面すぎるから? 北斗の拳の野盗の親分とか、魁!男塾の極悪番長とか、そういう役の方が似合いそうな風体に描かれている。実際には心優しい海の男で、釣りも料理も上手ないい人なんだけどね。でも、船長さんの風体とか人当たりとかは、実際の船宿でももう少しなんとかならんのか?と思うことよくあるよねw 「仲良くなればすごくいい人ですよ~」と言われても、船長が怖そうだから近づく気がしない船宿……へた釣りにはいくつかあったりする。ついでに、作中で紹介されているレシピや釣り方のコツの解説なんかも、へた釣りのレベルでは結構、お役立ちなものが多いので、いろんな意味で楽しめる作品なのであった。
著者: へた釣り