いまだに初めて乗る船にドキドキする。同じ東京湾での釣りでも、船によってルール&雰囲気が違う。釣りが下手なので「迷惑かけずに釣れるかなぁ」と考えるし、少し人見知りをするので「船の雰囲気になじめるかなぁ」という不安を抱く。そんなへた釣りが実践している船宿選びメモ。
「こらぁ~!! タナ取りできねぇんなら釣りなんかすんなぁ!!!!」。マイクでこう叫ぶ船長の怒鳴り声を聞いたことがある。幸いなことに叫ばれた相手はへた釣りではなかったのだが、聞いていてマジギレした。いくらなんでも、船賃を払って船に乗っている客に対する口のきき方ではない。でも、周りの空気は「あ~あ、また始まったよ」ってな感じで、船長の怒声を聞き流している。この船には二度と乗らないとへた釣りは決めた。念のために書いておくと東京湾の船ではない。現役漁師さんが小づかい稼ぎにやっている船でのことだ。
マイクで罵詈雑言を吐く船長がいる船宿はさすがに特殊な例だとしても、この船はへた釣りには合わないなぁ~と感じたことは東京湾でも何度かある。東京湾の場合同じ釣り物でも複数の船宿から選べることが多いため、合わないなぁ~と感じたらほかの船に乗れば済む。そうして自分に合った船宿を探していくのも船釣りの楽しみの1つのような気がする。ブログのサイドバーで紹介している「お気に入りの釣船」は、へた釣りが最低でも5回以上乗船したことがある船で、嫌な思いをしてない(ってことは下手に優しいw)と思われる船宿だ。以下に船宿を選ぶときに注意していることをあげてみる。
東京湾には1隻だけで営業している船宿から十数隻船を持っている船宿までさまざまな規模の船宿がある。やはり繁盛して船を増やしていっている大規模な船宿は裏切らないという傾向はあると思う。盛期で混雑する釣り物では釣座をギュウギュウ詰めにするのではなく、2隻目ときには3隻目まで用意してくれることもあるので、混むかもという予感があるときには大規模船宿が便利だ。繁盛している船の船長さんは人あたりのいいことが多い。イサキ釣りで行く金沢八景・一之瀬丸やカワハギ釣りの浦安・吉野屋がこの例に当てはまる。
屋形船もやっている船宿の場合、船長さんが夜は屋形船の操船もしていることが多く、ちゃんと接客業していることが多い。屋形船をやっている船宿は、船長さんだけでなく、上乗りさんも親切&フレンドリーなことが多いと思うのだが、気のせいだろうか? この例にあたるのが深川・吉野屋と羽田・かみや。操船に忙しい船長さんの代わりに釣り方を教えてくれるし、魚が釣れると少し大げさに歓声をあげてくれたりして釣りを盛り上げてくれることもあるので、釣ってて楽しい船宿が多い。
「下手にも優しい」というのがへた釣りの船宿選びの重要ポイント。船宿のサイトではまず「初心者歓迎」という文言があるかどうかを確認する。さらには釣果報告のページで子供の写真があるかどうかを確認しよう。子供の写真が掲載されている船には「子供が船乗るな!」ってタイプの釣客がいないので安心感が増す。初心者歓迎のついでに、仕掛け図や釣り方の簡単な説明があったりするとその船での釣り方を予習できるのでさらにうれしい。ただし、「こうやって釣れ」式に押しつけがましい感じがする船宿は避けた方が安全。
船の予約はネットでできることも多いが、初めて乗る船の予約は電話でした方がよい。「ああ~ん、釣り? いつ? 何?」なんていう北斗の拳に出てくる野盗の下っ端のような応対をする船宿もある(実話ですw)ので、そういうときは予約するのをやめちゃおう。二度目からはネットで予約してもかまわないが、一度目だけは絶対に電話。客なのだから嫌な予感がしたら行かない。
事前に予約を入れておく必要がある予約乗合と朝いきなり行って船に乗れる通常乗合の2種があるが、個人的には予約乗合が安心。海が悪くて出船しないときには事前に連絡をもらえるし、予約連絡をするついでに仕掛けのことや釣況を聞きやすい。何度か通ううちに名前を覚えてもらいやすいというメリットもある。名前を覚えてもらっても特別サービスがよくなるわけではないが、釣り人Aよりへた釣りさんの方がうれしい。
船長さんも性格はさまざま。向こうから積極的に話しかけてくる陽気な人もいれば、こちらから話しかけても必要最小限の答えしか返ってこない無口な人もいる。あとは船長との人間的な相性である。釣らせてくれると信用できるってのは釣り船なのでもちろん大事。でも、釣れなくても楽しい釣りだったと納得できるかどうかが船長との相性だと思う。船釣りは船長さんに遊ばせてもらう釣り。この船長さん好き!って人に出会えると船釣りはグゥ~ンと楽しくなる。
著者: へた釣り