閃迅カワハギを買って釣行前は絶好調だった心が2日連続の貧果に折れそうだ。感度抜群の穂先は小さな魚信を伝えてくれる。魚信が分かる方が分からないよりもいいに決まっているのだが、魚信はあっても魚を手にできない。分かるだけの魚信を獲れる魚信に変えるのが喫緊の課題だ。
カワハギ釣りをしていると、コッ、コココ、プルルという3種類の魚信を感じることができる。コッというのは本命カワハギの魚信。ただし、コッという魚信はカワハギが餌を咥えて離したという合図でもある。コッという魚信ではカワハギは釣れない。竿先をカカカーンと叩くように感じる魚信が出たときだけカワハギは釣れる。コココとくる魚信はトラギスのもの。プルルと竿先が速く揺れる魚信はベラだ。3回魚信が出ると3本針の餌は完売。昨年まで使っていた竿ではいつの間にか餌がないということがあったが、閃迅カワハギでなら餌を取られたことははっきり認識できる。でも、コココとプルルはアワセられても、カワハギのコッはアワセられない。
師匠から教えてもらった「糸をタルマセてゆっくり聞き上げ」について考えてみる。糸を張った状態では、コッという魚信しか出ないカワハギだが、タルマセた状態では餌を咥えたときの違和感が少ないらしく、張った状態よりも長い時間餌を咥えているのがミソ。咥えている餌がゆっくり逃げようとしているのに慌てたカワハギが餌を追いかけてきたときに針掛かりするという寸法だ。カワハギの魚信がコッとしかでないときに有効な釣り方だという。誘い上げているうちにカカカーンな魚信が出ればカワハギをゲットできる。
少しタルマセてから聞き上げるという方法はタタキの後にも有効なことは閃迅カワハギ2戦目で確認できた。カワハギの活性が高いときはタタキの後で糸を張った状態でほんの一瞬食わせの間を作って聞き上げればカカカーンな魚信が出る。でも、活性が低いときは、タタキの後でタルマセた状態で食わせの間を長めに取ることで魚信が増えるように感じた。どの位の時間タルマセて食わせの間を作ればいいのかはカワハギや餌取りの活性次第なんだろうが、竹岡沖では最も有効な釣り方の1つがタタキ→タルマセ→聞き上げなのではないかと思う。
カワハギ釣りは根周りの砂地を攻める場合と根の真上を釣る場合がある。根周りの砂地の場合は錘を着底させた状態で軽く叩いて錘が巻き上げる砂煙でカワハギを含む魚を寄せるのがよさそう。一方、根の上の場合は錘を長時間(とくに船のエンジンがオンのとき)に錘を着底したままだと根掛かりが増えるので、叩き下げがよい。根の上ではカワハギが底べったりではなく、やや上層に浮いているのは昨年の伊豆カワハギ2日目で経験済み。叩き下げはクラッチを切った状態で少しずつ糸を出しながら底に錘が着くまで叩いて落とす。着底したら2秒くらい待ってゆっくり聞き上げる。根の上を釣った閃迅カワハギ2戦目の2匹はこの方法で釣った。
竿を変えたことでもう1つ気を付けなくてはならないのがアワセ。昨年まで使っていた8:2調子の柔らかめの竿なら聞き上げ中にカカカーンな魚信が出てもそのまま竿を上げていくだけで勝手に針掛かりしたが、9:1調子で硬めの閃迅カワハギの場合、聞き上げている最中に竿の角度が60度を超えると魚信を弾いてしまうように感じる。60度を超えてカカーンな魚信が出たときは素早くリールを巻いて針掛かりを確実なものにしておかないと、カワハギは逃げてしまう。このアワセ損ないが閃迅カワハギ初戦で3回、閃迅カワハギ第2戦でも2回はあったので、60度を超えたらリールを巻くということを体で覚えなくちゃと思っている。
著者: へた釣り