キンメに続いてクロムツにも嫌われたかも釣行でなにかの間違えで釣れたタチウオ。冬タチウオとはいえ指3本半なので脂の乗りはそれほど期待していなかったが皮をバーナーで炙るとジリパチという音を立てて香ばしい香りが立つ。生の身側を舌に置くと旨味がふわりと口中に広がる。
高切れが嫌なのであまり深い水深の時期のタチウオ釣りはしなくなっているが、やったことがないわけではない。夏に産卵のために浅場にやってきたタチウオに比べて大きく脂の乗りもよい。タチウオの旬は漁のしやすさもあって一般には夏とされているが東京湾に限れば冬だと思う。今回、久里浜沖の水深250メートルで釣れたタチウオはこれまで釣ったどのタチウオよりも脂が乗っていた。船中2本しか釣れていないのでタチウオの群れは船下にいなかったと思われる。仕掛けや道糸を切られるという被害もなかった。はぐれタチウオ? もしかすると群れからはぐれたタチウオの方がエサを豊富に食べているので脂の乗りがいいのかもと想像すると面白い。
持ち帰ったシロムツ6匹はアヒージョにしていただく。ニンニクの香りを移したオリーブオイルで煮た白身魚が不味くなるわけはない。たっぷりのシメジと煮て、パセリを散らす。釣行初日と翌日のタチウオの炙り刺しとシロムツのアヒージョで既に十分満足感があるのに、明日からは3日熟成したクロムツが控えている。中深場は美味しい。
著者: へた釣り