子供たちにもっとたくさんアジを釣ってもらうぞ大作戦なのだ。自分がもっと釣れるようになってから子供のことを考えろよというツッコミは聞こえないことにしておく。子供たちの釣りを見ていて気付いたいくつかの改善点を書き留める。子供のためといいつつ自分の釣果改善に効果もあり?
仕掛けの投入法にまず問題がある。大人なら仕掛けを先に海に入れて少し振りこむような感じでいいのだが、子供たちを見ているとこの振りこむという作業がどうもうまくいかない。指の力が40号のビシに負けている? 振り込んだつもりが仕掛けのほぼ真上にビシがドボン。これは最悪である。仕掛けがらみがいい確率で発生する。子供用の仕掛け投入法は、海中に仕掛けを先に入れるところまでは同じ。そのあとはゆっくり海面にビシを置くように入れる。そのときビシを仕掛けからなるべく遠くに置くようにする。海面にビシを置いてからクラッチオフ。これで投入時に仕掛けがテンビンにからむというリスクを大幅に減らせる。
タナ取りもスピードよりも確実性を優先させた方が、アジを手にする確率を上げられた。着底したら竿を水平に持ち上げて底を少し切って5秒我慢。一度クラッチを切り、底を取り直してからゆっくりリールを巻き上げる。ビシが底から離れた手ごたえがあったらラインのマークを確認。竿は水平のままリールを巻いて同じ位置に次のマークが来るまで巻かせる。底を1メートル切ったことになる。竿先を一度下げて、大きく頭上までシャクってコマセを振りだす。もう一度竿を水平に戻しながら、リールを1回転で底からタナ1.5メートル、リールを2回転させればタナ2メートル。竿を水平に保って魚信を待つ。いろんなタナの取り方を説明したがこの方法が一番確実にタナをキープできていた。
疲れたり、魚信の間があくと子供たちは置き竿にするので、ロッドキーパーを使わせていたのだが、これは明らかにバラシの原因になっていた。魚の取り込み時にはロッドキーパーを使わせないのが正解だと思う。ロッドキーパーに竿を固定することに気がいくとどうしてもハリスのテンションが抜けてしまうし、子供の場合、竿の固定に成功してからビシを掴むので、取り込みがワンテンポ以上遅れる。海面近くにビシが来たらまずはビシを掴ませる。竿は船内に無造作に置くでいいんじゃないかと(ただし尻手ロープ必須)。これならロッドキーパーを使うよりビシを近くまで巻き上げられるし、ビシから先のハリスのテンションは抜けない。海面バラシ率は大幅に減る。
竿は座席に竿尻を置くと教えておけば竿先は船べりに来るので、竿を踏んだりすることはない。ただし、ビシを穂先まで巻いてしまうということが何度かあった。幸い穂先が折れることはなかったが、不安だ。ベテランの釣り人さんがやっているように発泡の中通しなどを道糸に通して穂先とのクッションにするとともに、これ以上巻くと危険だと分かる目印にしよう。
アジ用の神経絞めを持って行ったのは釣果という点では明らかにマイナス要因だった。ついでにまともに神経絞めができてなかったので味という点でもマイナス要因。魚信がないときの遊び道具を子供に与えてはダメというのが教訓として残った。疲れたり、魚信が出せない時に休憩するのはいいのだが、釣りそっちのけで遊べる玩具を与えちゃダメだね。1日船ではなく、半日船の方が集中して釣りができていいかもしれない。
逆に子供用に持って行くべきものは、2本針の仕掛け。船が混んでいてオマツリが発生するときは3本針から2本針の仕掛けに変えるとオマツリを相当減らせる。3本針の仕掛けから針を1本切ったのだが、なんだか仕掛けの枝スの位置のバランスが悪いような気がするので最初から2本針の仕掛けを用意しよう。手前マツリなども2本針にすると確実に減る。あとは千枚通し。100均で買える物なので人数分用意する。ちょっとした仕掛けのからみも子供の手にかかれば修復不可能になることがある。千枚通しを使って仕掛けをていねいに正すようにすれば仕掛けのロスが大幅に減らせそうな気がする。
著者: へた釣り