2匹合計長28センチで魂が抜け落ちたけど、うまくいかない理由を学ぼうとはしていたのである。すぐ横は大会で優勝した名人だった。何をやっているのかを観察した。大会終了後、見て覚えたことが合っているかの確認をさせてもらえたので、来年のこの大会に向けて忘れないようにメモ。
アジ釣りに型狙いの方法は存在しないと考えた方がよさそうだ。たくさん針掛かりさせて大型が混じる確率を上がるというのが正解。大きいのを選んで釣ってやろうという発想自体は間違いだったように、大会が終わってみれば感じる。タナは普通に底から2メートルで正解だったみたいだし、餌は赤タンとアオイソメで十分だったようだ。優勝されたO川名人はタナの取り方、餌の付け方にちょっとだけ工夫をしていた。そのちょっとの工夫が数でも型でも効果的だったと考えるしかない。
コマセの振り出し方を見ていると底立ちを取ったらすぐに1メートル巻きあげて、そこで5、6回するどくビシッっとコマセを振り出す。そんなに何度も振り出す必要があるのだろうか?と思っていたが、ほかの人のコマセの煙幕よりも濃い煙幕を作りだすという作戦だったように思う。コマセを振り出し終えたら、1メートル分リールで糸を巻き取り、しばらく待つ。タナを合わせて仕掛けが張ったらすぐに竿先にアジの魚信が出るので驚いた。竿の動きはするどくシャープで竿先を大きく待ち上げる感じではない。底から1メートルのわずかな帯域に集中的にコマセを撒く。それより上でも下でも決してコマセを撒かない。自分のコマセを潮下には流さないためかな?
タナは東京湾でのLTアジ釣りでごく一般的な2メートルだった。型狙いでタナを変えるという発想は不要のようだ。他の釣り人よりも濃いコマセの煙幕を自分の下に作って、その煙幕に突っ込んできたアジを獲る。低めのタナでコマセをポロリポロリとこぼして勝負なんて悠長なことを考えていては、勝てないってこと。アジは狭い範囲に濃密に振り出されたコマセの煙幕に群がって行ってしまう。魚信の数が全然違ったし、一荷の発生率も全く違った。やっぱりアジはコマセをたくさん撒いて勝負! たくさん撒いたコマセを無駄にせず自分のためだけに使う方法が名人の釣り方でちょっとわかりかけたような気がする。
支給餌は赤タンとアオイソメだった。名人は赤タンをハサミで切って使っていた。支給されたままの大きさでは大きすぎるってことらしい。半分くらいにしてたんですか?と聞いたら、半分でもまだ大きいらしく、1/4くらいにしていたとのこと。イカタンは米粒ほどの大きさがあれば十分でそれ以上大きいとかえって釣れないとイサキ釣りで言われたことがあるが、まさに米粒サイズにカットして使っていたようだ。大アジには大きな餌という発想がそもそもの間違い?
アオイソメに関してはM野名人が教えてくれた。アジの活性に合わせてタラシの長さを変えるみたいだ。活性が低いときはタラシを長めに、活性が高いときはタラシを短くする。この場合も餌を大きくしたからといって大アジが釣れやすいってことはないみたい。持ち込んだ餌の中ではオキアミは効果があったが、これもサイズを選んで釣るための餌にはならなかった。大粒のオキアミを付けても小アジが食ってきた。
著者: へた釣り