カワハギといえば、何と言っても薄造り。肝醤油とポン酢を用意し、お皿が透けるように盛ったカワハギの透明できれいな身をお箸で4~5枚まとめてすくって食べる。フグのてっさと同じ要領だ。釣りたてのカワハギは養殖のフグより絶対に美味! でも美味しく食べるには締め方が大事だ。
透明感あるきれいな薄造りを作るためには何と言っても血抜きが大事。身に血が滲んで、ピンク色になっていては台無しなのである。フグのてっさ同様、身のコリコリッとした食感がこれまた大事。カワハギは釣ったらすぐにエラの部分にナイフを突き立て、呼吸するたびに血が噴き出すような状態にしてバケツに入れる。フィッシングナイフでは刃が大きすぎて大事な肝を傷つけてしまう危険性がある(一度バケツの中に肝が浮きまくって泣きそうになったw)ので、「ゴメンネ戦隊 シメルンジャー」を買った。20センチ以下のカワハギのエラを付き通して少し捻ると、ちょうどいい具合にエラが切れる。
しばらくバケツの中で泳がせておくとエラから血が出なくなる。体内の血はほとんど失っているはずなのにそれでもまだ生きているカワハギにとどめを刺す。神経締めをする余裕があればいいのだが、船上ではそんな余裕はない。角をキッチンバサミでチョッキンと切っちゃうのが手早い。角なんて生命維持に重要なパーツではないと思われるのだが、不思議なことにカワハギは角を根元から切り落とすとその瞬間に死ぬ。皮を剥ぐときにどうせ切り落とす箇所なので切っても何の不都合もない。カワハギの息の根が止まったのを確認したら海水氷入りクーラーに入れちゃえば、透明できれいでコリコリ食感のカワハギの薄造りが食べられるのである。
著者: へた釣り