偶然の反対語は必然。釣りの場合、偶然か必然かを証明するのが非常に難しい。たまたま上手く行くことがある一方で、自然が相手だけに必ず上手く行くとは限らない。理科の実験のようにこれがダメでこれはヨシという具合に仕分けることができないけど、
検証妄想しないと蓄積できない。
釣り具店にいくと、「魚のDNAを刺激」したり、「職漁師の知恵から生み出され」ていたり、「有名アングラーがプロデュース」していたりする工夫を施された釣り具が売られている。魚を釣るのは下手だけど、メーカーに釣られるのは得意なへた釣りは、すぐにリアクションバイトしてしまう。今回カワハギ釣りで試した無駄な足掻きも、カワハギ釣りの達人さんたちの真似をしたり、話している言葉から類推したりしたもの。釣り具店ではなく船上でリアクションバイトしちゃったわけだ。たまたま上手くいった結果をメモしておいて、偶然の中から必然かも?という手ごたえがつかめるといいんだけどなぁ~。
大物狙いには大粒アサリがよいと気付いたのは、TKB43予選で達人さんたちが大きめのアサリを付けていたから。さらに大粒のアサリを見せ餌として3本針のどこかに混ぜておくといいと超人達の技で紹介されていたから。とどめはへた釣りの近所に小粒のアサリを売っているスーパーがなく大粒アサリしか手にはいらないからw 針もハゲ針の4号、5号とスピード針の7号を使ってみることにした。針は下からハゲ針5号-ハゲ針4号-スピード7号。
剥いた餌は大粒、中粒、小粒に分けておく。大粒はハゲ針5号で水管2度刺し、ベロを縫い刺しして一度捻って肝の部分に針先を少し出すのにちょうどいいサイズ。中粒はハゲ針4号で水管一度刺し、ベロを縫い差しして針先を肝から少し出す。小粒はスピード針でベロ縫い差し(水管は千切っちゃう)して針先を肝で止める。宙からの誘い下げなので一番下のハゲ針5号+大粒アサリが見せ餌のつもりだったのだが、25センチ前後のカワハギは下針で釣れることが多かった。フワフワと竿先を動かし続けて針掛かりさせるへた釣りの釣り方では、大粒のアサリに執着したカワハギの口にハゲ針5号の針先が立つのを待つという釣り方が一番性に合っているような気がする。
一方で着底と同時にベラやトラギスの餌食になることも多いのだが針のサイズが大きいので勝手に針掛かりするのは稀。ホバリングができない口の小さなベラやトラギスが相手なら餌も残るので見せ餌としては機能し続ける。ベラっぽい魚信があったら着底から聞き上げに転じるまでの時間を少し長くして10センチくらいタルマセるようにすると真ん中のハゲ針4号+中粒で勝負できる。一番上のスピード針7号+小粒は宙で食ってくるときに向こうアワセに近い感じで針掛かりするのを期待する。宙でガガッというカワハギの魚信が何度も続く場合は、スピード針に食ってきていると判断してじっくり食い込ませる。海中での出来事なので、何の確信もなく妄想すると、こうなってるんだけど…あってるかな?
カワハギ釣りは、両隣の人に釣られる前に自分が釣るという要素が色濃くある。船の下の根にいる食い気のあるカワハギの数は限られており、早い話が船中でカワハギの奪い合いをするわけだ。平日は1人あたりの釣果がよく、船が込み合う休日は1人あたりの釣果が著しく落ちる。カワハギを自分の仕掛けの周辺に寄せる道具はいろいろあるが、誘い下げでの釣りを考えると、下錘+アワビ貼りブレードが想像していたより効果があるのではという気がしている。上からヒラヒラときらめきながら落ちてくるアワビ貼りブレード(誘い下げ)。近づいてみると目の前に美味しそうなアサリの剥き身(着底)。食べよかなと思っていると剥き身が上へと逃げていく(聞き上げ)。カワハギ気分で考えると、なんかすごくアリのような気がする。しばらく下錘はアワビ貼りブレード付きだけ使って頑張ってみようと決めた。
中錘型の集寄は、オマツリの原因となる、効果が薄いという理由で使ってこなかったのだが……付けてみると、タタキやタルマセ後の魚信が圧倒的に増えるような気がした。タタキで海底近くを激しく動く集寄に、フワリと海底に落ちてくるタルマセの集寄にカワハギは反応しているように感じる。効果が薄いということはないと考え直すべきか? でも、敬愛する石原船長(浦安・吉野屋)のブログに「浅場なのでアタリ重視 集魚板・中オモリ不要です 釣れない人ほどジャラジャラ付けてますよ~」と書いてあるので、う~~~ん。浅場なのでという部分に着目すると、25メートルより浅いか深いか、オマツリするかしないか(込み具合、潮の速さ)で、中錘型の集寄を使うか使わないか決めるのが妥当ってとこかな?
で、最後にとっても気になるのが赤色LED×3付きのカワハギ集魚錘。1個は買っておいてもいいかなと思っていたのだが、「くるくる来るピカ」という赤色LED×5の強化版がアナウンスされているので、どうせ買うから新製品にしようと待っている。で、このLED錘は数釣りにはあまり効果はないようだが、大物を寄せる効果は抜群の可能性がある? 江戸前サ-キット大会カワハギ部のかみや船で優勝した人はカワハギを3匹しか釣っていないがうち1匹は27.7センチ。この人は昨年のかみやカワハギ釣り大会でも5匹釣ってうち1匹が31.5センチで優勝。このときもLED錘を使っていたそうだ。どう考えてもLED錘には大物を寄せる効果があるとしか思えない。
著者: へた釣り