食べきれないほどの魚が冷凍庫に眠っているというほどに釣果に恵まれたことは数えるほどしかない。先週末、久しぶりに高級魚を一週間分確保できた。釣った翌日からまずは小型を煮付け、続いて塩焼きで。じっくり熟成させて本命の炙り刺し。クロムツはたくさん釣れるほど美味くなる。
クロムツは最低2、3日、できればそれ以上冷蔵庫で寝かせて熟成させた方が美味しいという知識はあったが、2、3匹しか釣れないとほかにに食べる魚がなくって、ついつい2日目、3日目で食べきってしまう。炙り刺しで最高なクロムツ15匹でドヤッ!!釣行では珍しくクロムツ15匹。30センチ超えのお刺身サイズは1匹だけだが、残る大半が25センチの煮付けサイズ、少しだけ20センチの塩焼きサイズが混じった。塩焼きはサイズ的にはまだ十分に脂が乗っているという感じではないが、塩に引き立てられて身の甘味が感じられる。レモンなど柑橘類をかけるとさらに美味しさが増す。
25センチくらいになるとクロムツは皮際に少しずつ脂を蓄え始めめて煮付けて美味しくなる。煮るとふわふわとした食感の身離れのよい(お箸が下手なのでこれ大事!)仕上がりになる。煮付けは少し濃いめの味付けに限ると思っているが、妻にそうオーダーしてもだいたい無視されるので、やや薄口。サイズ的にまだ黒いダイヤモンドというほどのインパクトはないが、それでも十分に美味い。
塩焼き、煮付けは露払い。釣ったのは土曜だから木曜は熟成5日目。冷蔵庫で何度かキッチンペーパーを取り替えながら寝かせておいた尺超えのクロムツを取り出す。脂が溶けると切りにくくなるので先に一口大に切っておいた身をバーナーで炙る。チリチリと皮が焦げる音とともに茶色の脂が染み出してくる。この脂の甘みがたまらない。最初に皮際の脂の旨味がガツンときて、続いて身の仄かな甘みがやってくる。次もじっくり熟成が待てるくらいいっぱい釣りたい!
著者: へた釣り