釣りに関してこれで完成となることはへた釣りに限れば未来永劫ないような気がするが、三歩進んで二歩下がるじゃないとね。次回釣行時に二歩下がることになるとしても、三歩進んだとこからスタートしたい。湾フグはあれこれ試行錯誤できることが多い。忘れないように三歩分のメモ。
たったこれだけで三歩?と言われそうだが、まぁ歩幅は人それぞれなので、生温かい目で読んでほしい。あるいは冷眼を向けて無視してほしい。カワハギ師匠というお手本の横で釣ることができた湾フグのデビュー戦。序盤はフグからの魚信を全く感知できずに何も起こらず。ホバリング上手なエサ取り名人のフグの魚信を出す方法を考えることに。カワハギ釣りの応用問題だと考えれば、なんとかなった。
ヒントは師匠からもらっていた。「30センチ聞き上げて1秒に1センチのつもりでゆっくり落としていく」。30センチを1秒1センチだから30秒。クワセの間ともいえるオモリが着底している時間は3~5秒と言われたので、実際に針掛かりに持ち込める時間は10%~15%くらい。なんとも効率が悪いと思ったが、残りの85%~90%の時間で魚信を出し、仕上げに集中してフグを掛けていくのが湾フグ釣りのキモなんだと気付くまで随分時間がかかってしまった。
※この稿を読んだカワハギ師匠から「錘を下げていく途中で当たりを感じたら、そのまま下げて行って錘が底に着いたら即合わせです。下げていく過程で当たりがなければ、錘が底に着いたら3~5秒程度ゼロテンで当たりを見る。その間に当たりが有ったら即合わせ、当たりが無ければ聴き合せ。」との修正が入る。
オモリが底を切っている状態でフグからの魚信を出す方法。目感度だ手感度だを鍛えようとは思わない。修行は嫌いだ。まずはエサのアルゼンチン赤エビを針のサイズに短くして付ける。柔らかいエビの身をフグについばまれても魚信を察知できない。でも、オモリを宙に浮かした状態で針にフグの歯が触れればちゃんと魚信として伝わってくることが多い。チラシ針仕掛けは3本の針でフグの魚信をキャッチしやすくした仕掛けだ。装餌したエビのどこをついばんでも針に歯が触れやすい状態にしておけば1本針の仕掛けでもなんとかなる。実際エサのタラシ(針からはみ出している部分)をほとんどなくすと感知できる魚信が飛躍的に増えた。
それでもまだ、察知できていない魚信があることは回収したエサの齧られ具合から想像できる。試してみたのが、宙層フワフワ。カワハギ釣りでの誘い下げのやり方をそのまま流用してみた。オモリやエサがフワフワと海中で動いているのをイメージして竿を優しく上下させながら誘い下げて行く。これだけの操作でフグの歯が針に触れる確率が上がるようで宙で察知できる魚信の数を随分と増やすことができた。フワフワと動かすことでフグへのアピール度が上がった可能性もある。
宙で魚信が出せるようになったら、次がいよいよ湾フグ釣りの醍醐味である、カットウ針にフグを引っかけるというステップである。フグの魚信を感じながら、オモリを着底させ、ゆっくり目に「い~ち、に~~ぃ」と数えて竿を50センチくらい持ち上げる。このとき引っかけてやろうと考えるのはよくない。加減をうまく表現しにくいのだが、スゥーと竿を持ち上げるよりも気持ち速めくらい。フグが掛かると手元にズシッと重みが伝わってきて気持ちがよい。
ズシッと来てから巻き上げ中にフグがいなくなることが何度かあった。師匠からは「追いアワセを入れた方がいいですよ」との指導が入ったが、フグの重みを感じるのは竿が水平よりやや上になっていることが多いので、追いアワセを意識するとかえって竿先が降りてテンションが抜けてしまいそうで怖い。竿を持ち上げられるとこまで持ち上げて、竿位置はそのままですぐにリーリングで追いアワセが一番ミスが少ないような気がする。
事前に調べた情報ではエサの下端とカットウ針との距離が針掛かりするしないを大きく左右すると思っていたが、あまり神経質に考えることはなさそう。エサと針が10センチ以上も空いてるなんて極端な状態になってなければあまり針掛かり率に影響はなさそうだった。カットウ針は「Saqsasフグカットウ針」がよく掛かった。3本針に比べて4本針のカットウは掛かりが悪いというのは本当かもしれないと思い始めている。
著者: へた釣り