女子供なんて一括りにすると、釣りガールのみなさんに叱られる。今現在、釣りをしてない女性とお子様に釣り好きになっていただく方法……へた釣りの経験ではそんな方法は1つしかない。入れ食いポイントに連れて行く。ネンブツダイでも何でもいい。落とせば釣れる所で釣りデビュー。
へた釣りの母の魚釣り初体験は和歌山の白浜。夏休みの小旅行で、へた釣りだけ早起きして、堤防でコマセを撒きつつ釣っていた。日が昇りかけ、コマセに寄ったアジが海面下でキラキラ光る超高活性状態になった。釣り人も早いが年寄りも朝は早い。釣りなんて興味がないはずの母が堤防にやってきた。サビキの道具を用意して母に渡す。仕掛けを落とせば針数(6本針)に15センチ~20センチのアジがコイノボリになる。ギャァー、キャァー、イヤァー。母の歓声が堤防に響く。若い女の子の声なら聞いてて楽しいのだろうが……60歳を超えた…それも母の声だと近所迷惑にならないものかと心配になる。
へた釣りの母は生きた魚を触れない。魚を外してあげるのに大忙しで、アジのヒレで手は傷だらけ。それでも母が喜んでくれるなら満足するまで釣ってもらおう。コマセを打ったり、魚を外したり、仕掛けが絡んだら解いたりと約1時間半ほど、母のお世話に徹する。束はゆうに超えて二束に迫りそうな入れ食いタイムは、日が昇り切ると終わった。魚信が遠のく。ここで母の口から信じられない一言…「なんやの、釣れへんやないの? 釣りなんて辛気臭いなぁ」。唖然とするしかない。200匹近くアジを釣っておいて釣れへんって……。その後、母から「あのときくらい釣れるとこないの?」とときどき聞かれる。もう一度やってみたいと思う程度には楽しかったんだと思う。でも、アジの大群を一人占めできる釣り場なんてそうそう出会えるものではない。母との釣りは入れ食い確実観光客向け海上釣り掘専門にしている。
もう1人、ラッキーすぎるほどラッキーな釣りデビューを果たしたのが子供1号。釧路にて、ロックゲームの仕立て船を北海道の師匠が手配してくれた。子供1号も人数合わせに乗船することになったのだが、いろんな条件に恵まれて一人入れ食い状態。ライトタックルで50upのウサギアイナメをバンバン釣り上げる。28グラムの夜光ブラー仕掛けと東京から持って行ったイワイソメ(釧路ではあまり売ってない)が特餌になった。一方、ソフトルアーで釣っていたへた釣り含めほかの人たちは軒並み大苦戦したので、子供1号の一人勝ち。「アブラコ先生、釣り方を教えてください」とみんなに言われて、有頂天になっていた。これ以降、子供1号は釣りに誘えば否とは言わない。自分は「釣りの名人だ」といまだに思い込んでいる節があるので、一度の大漁経験は、釣りにハマるきっかけになるのは間違いない。
あ~~~~っと、書き忘れるとこだった。「ハローキティ コンパクトロッドセット170」が店頭に並び始めたようだ。値段は9000円弱と思っていたより高い。おそらくロッドがそれなり以上のスペックになっているのだろう。このセットを使って、大漁入れ食い体験をする女子供がたくさんいたらいいのになぁ~と、釣りの神様に祈る。なんだ、この付け足し感は……www
著者: へた釣り