5月20日に釣ったマゴチのお腹から立派なタマゴがでてきて、マゴチ釣りはしばらくお休みすることにした。どうやらマゴチという魚、生まれたときは全部オスで釣りのターゲットとなる40センチ超に成長すると、メスに性転換するようだ。大型マゴチの周辺には小型のオスの群れがあるらしい。
成長過程で性転換する魚。クマノミが有名だ。同じイソギンチャクに住んでいるクマノミの中で最も大きな個体だけがメスで残りはオス。2番目に大きな個体と繁殖行動をする。ところが、メスが死ぬと2番目に大きな個体がメスに性転換し、3番目に大きかった個体が繁殖パートナーになる。オスからメスに性転換することを雄性先熟といい、魚類の中では珍しいパターン。
雄性先熟する魚にはクロダイ、マゴチなどがいる。クロダイの場合は体長が25センチを超えたころからメスに性転換する。メスからオスへと性転換する雌性先熟は、オスが縄張りを持ち、縄張り内の複数のメスと繁殖を行う魚の多くで見られる。マダイも雌性先熟だし、キュウセンやササノハベラなどのベラ科、マハタなどのハタ科は、雌性先熟する。
マゴチは、1匹の大型のメスと数匹の小型のオスで縄張りを作っているものらしい。数匹のオスはメスと繁殖する日を夢みているのである。一方の釣り人は、オスたちが憧れる大型のメスを狙って釣り糸を垂れている(オスはサイズ的にほとんど針掛かりしないと思われる)わけで……目の前でメスを釣りあげられ繁殖の機会を失ったオスたちの気持ちを想像すると、寝取り・寝取られプレイっぽくてなかなかステキな気分になるのはへた釣りだけ? でもまぁ、オスたちの繁殖相手を強奪する(寝取る)のはかわいそうなので、7月中旬くらいまではマゴチを釣るのは止めておこうw
著者: へた釣り