シロギスという魚は、海底近くにある餌を少し尖った小さな口で吸い込むようにして捕食する。だから針は流線7号などの小さく吸い込みやすい針を使うわけだが、吸い込みやすいということは針を飲み込まれやすいわけだ。手返しよく釣るためには飲み込まれた針を素早く回収したい。
飲み込まれた針をはずすとき、専用の針はずしを使ったり、プライヤーを魚の口に突っ込んでというのが一般的である。プライヤーの問題点は、どうしてもハリスに金属が当たってしまい、ハリスが痛んだり、縮れたりという原因になりやすい。ハオコゼなどの毒魚から針を外すのに針はずし器は便利だが、シロギス相手にいちいち使うのは面倒だ。また、安価な針はずし器は、ハリスに負担をかける製品もあるので、「クイックハリハズシ」など1000円くらいの製品を買わないと、針ははずれたけれど、仕掛けは交換ということによくなる。
針を飲んだシロギスのエラに親指と人差し指を突っ込む。そしてエラの奥の部分をつまむように力を入れながらハリスを引っ張る。これだけで、確実にシロギスの口から針が出てくる。ハリスが痛むことはない。小さなシロギスの場合は、それほど力を入れなくても簡単に。20センチを超える大型のシロギスでもエラの奥を摘まむ力を強くすれば、ほとんど抵抗なく針が抜ける。シロギス釣りではハリスが0.8号、食い渋りのときは0.6号を使うことがあるので、ハリスに負担をかけずに手返しできるのがとてもうれしい。
著者: へた釣り