へた釣りの祖父も父も釣りをした。1匹も釣れないことを「ボウズ」と言っていたので、これが最も馴染みのある表現だ。東京で釣りを始めてから「オデコ」という言い方もあることを知った。最近SNSなどでよく目にするのが「ホゲる」という言い方。「ホゲ」って何のことなんだろう?
ボウズは坊主。お坊さんは生臭ものを食べないので魚を殺さない=1匹も釣れない説は分かりやすいが、この説ではボウズとオデコが同意の説明がつかないので、坊主は毛がない=卦もなし(魚の気配なし)説が有力な気がする。ボウズだと職業差別になるので、同じく毛がないオデコと表現するようになった? ボウズは魚が1匹も釣れなかったこと、オデコは魚は釣れたが本命は釣れなかったことと使い分けるという人もいるが、意識して使い分けている人はあまりいない気がする。
ホゲるであるが、得体が知れない言葉なのでこのブログではこれまで使わないようにしていた。魚が釣れなくて凹んでいる様子をうまく表した語感の言葉だと思う。ボウズやオデコとは違い動詞なので使いやすくもある。語源はいくつかの説があったがどれもピンとこない。九州の方言のホゲる=穴が開く(スカリに穴が開いて魚が逃げた?)、2丁目用語のホゲる=オネェ丸だしのこと(人生経験が足りないようでどうやっても釣りと結びつかない)、プログラムのホゲる=メタ構文変数のhoge(全く意味のない釣りだった?)…どれもしっくりこない。魚が1匹も釣れなくて魂が抜けて「ホゲ~」となったからと想像するのが最もしっくりとはくるが…。その点、最近SNSなどで目にするようになった、ホゲるの進化系である「ヒデる」は由来がしっかりしている。宮本英彦プロがよくやらかすので生まれた言葉である。
著者: へた釣り