カモメはアホだというのは釣り人の間では共通認識として定着しているのではないかと思う。海面近くを引くルアーに食ってくる鳥はカモメだけだし、海面に浮いた針が付いた魚を咥えて持っていこうするのもカモメくらいである。オキアミを装餌して仕掛けを投入すると着水と同時に釣れた。
カイワリツ抜けは楽勝と油断したら後半デカアジに翻弄され釣行は片舷5人と少し混んでいたため、仕掛けは正面に投げ込んだ方が横の人の方に流れていかず釣りやすかった。仕掛けを投入しビシを手に取ろうとすると背後からカモメが飛んできて海面を漂っていたオキアミに食いつく。あっと思った瞬間にはオキアミが食われていた。餌だけ上手に持って行ってくれればなんてことはないのだが、ナノスムースコートされた針はカモメの嘴を貫いた。怖くてカモメなんて触れない。かといってハリスを切ってしまうと嘴に針が残ったままになってしまいかわいそうだ。どうしようかと困っているとベテランの人が助けてくれた。
カモメは警戒心が弱いのか、人を全く恐れない。釧路沖の北海道五目では釣りあげて海面に浮かんだ魚を持っていこうと執拗にアタックしてくるカモメに驚いたことがある。大声を出して追い払おうとしてもダメ。釧路の釣り人は竿でカモメを叩いて追い払っていた。竿が傷みそうでし少しかわいそうで真似はできなかった。ルアーマンからはトップウォーターのルアーに食ってくる鳥はカモメだけという話を聞いたことがある。その人は「カモメはバカで何も考えてない」と言い切っていた。
「決定版 日本のカモメ識別図鑑」なんて本が発行されたのを知って驚いた。カモメの観察方法を解説した上で、初心者がカモメの識別方法が分かるよう、カモメの大きさや各部位の色彩や形の違いをチャートにした検索図が掲載されているらしい。日本国内で観察例があるカモメは30種以上もいるそうで、海辺に行けば比較的簡単に出会えるためバードウオッチの入門に適しているんだそうだ。カモメの勉強すれば怖くなくなるかな?
著者: へた釣り