羽田沖をクジラが跳ねているご時世である。釧路の沖ともなれば目撃した瞬間、驚きの声とは言えない変な声が出ちゃうシーンが目撃できたりする。ほとんどが一瞬の出来事なのでカメラを構えている時間はない。今回一番驚いたのはシャチがジャンプしてカモメを食べたのを見たこと。
釧路の沖をイルカが跳ねていることは珍しくなく頻繁に見かける光景だ。このときも船から数百メートル先をイルカの群れがときどき海面に背びれだけでなく背中を見せながら泳いでいた。大して魚が釣れていたわけではないのでその様子を眺めていると、海面に体全体が飛び出るようなジャンプをするイルカの姿。何かを咥えて着水したように見える。海上でジャンプして捕まえる物なんて…カゴメくらいしかない。イルカってカモメを食べるんだろうか? 北海道の師匠に聞くとイルカではなくシャチの群れだったのではとのこと。釧路沖にはシャチがいるし、シャチはカモメを食べるそうである。
カモメの受難をもう1つ。釧路の沖に限らず海鳥はときどき釣りの邪魔をする存在ではあるが、イタズラの度が過ぎると大変な目に遭う。よほどお腹がすいていたのか釣り上げた魚を取り込もうとするとカモメが針に付いたままの魚を啄ばんで持って行こうとし始めた。最初は「コラァ!」と大きな声を出して追い払っていたが、カモメは大声に慣れてどんどん厚かましくなってくる。咥えた魚を放さなくなったとき釣り人が取った行動は……タモでぶん殴った。一瞬酷いことをと思ったが、カモメはぶん殴られてもちっとも懲りる気配はない。何度殴られても魚を奪いにやってくる。船長いわく「殴っても懲りないカモメは一度タモですくってから放すと近付いてこなくなる」んだそうだ。
釧路の沖にはマンボウがたくさんいる。これまでにも何度か海面に出したヒレをパタパタとしながらやる気なさそうに漂っているのか泳いでいるのかしている姿を見たことがあったが、船から2メートルくらいしか離れていない超至近距離でその姿を見ることができた。海の中の物は実際よりも少し大きく見えるとしても2メートルはゆうに超え、3メートル近いのではという巨大なマンボウが海面下すぐを悠然と泳いでいた。その姿は偏光グラス越しにはくっきりと見えたが写真を撮ってみると……写ってなかった。無理矢理写真を加工してマンボウの姿を浮かび上がらせたのが上の写真。
最後に紹介するのはやっと出会えたある物。北海道でラーメンといえば札幌ラーメン、旭川ラーメン、函館ラーメンが有名だが、これに釧路ラーメンを加えたものを北海道四大ラーメンと呼ぶ。ところがである。釧路に行くようになってから毎年一杯くらいは食べているのに美味しい釧路ラーメンには遂に出会えていなかった。ガイドブックに載っていたり空港のお土産物でその名を見る有名店にも行った。不味いとは言わないが美味い!!と思えるラーメンはこれまでなかった。遂に出会えた。夏堀というお店で食べたねぎラーメンの醤油味が美味かった。コシがある極細麺が色は濃いがさっぱりとしているスープにからみいくらでも食べられる系のお味。来年からは新規開拓なんてせずにラーメンを食べたくなったら迷わずココ!!
著者: へた釣り