そんなのどうでもいいやんと言われるとその通りなのだが、わざわざ図鑑を開いて釣った魚を同定しないと気が済まない釣りヲタなのでやっぱり気になる。ライト深場で釣れた魚は釣り人の間で通用する呼び名と図鑑に載っている標準和名がほとんど一致しない。ちゃんと整理してみる。
ライト深場で本命とされ、船中でクロムツと呼ばれている魚からしてクロムツではないのである。東京湾口の水深200メートルくらいで釣れるムツ科の魚にはムツとクロムツがいるが、釣れている魚を見ているとそのほとんどがムツの方。正確な見分け方は側線上の鱗の数を数えるみたいだが、腹部の色が白っぽく見えるのはムツだと考えてよさそう。ムツとクロムツを並べてみるとクロムツの方が体色濃く、黒褐色。へた釣りが釣った2匹はムツだった。ムツとクロムツを呼び分ける場合、ムツは体色が紫っぽく見えるのでアカムツと呼ばれることもあるみたい。クロムツはライト深場ではなくもっと深いポイントの方が混じる確率が上がるみたいだ。味に大差ないという人もいるし、クロムツの方が美味しいという人もいる。クロムツを釣らなきゃ確かめようがない。
一部の釣り人にはハリスを切っていくだけの厄介者。へた釣りを含むごく一部にはムツと並ぶ隠れ本命となっているのが通称スミヤキ。これも実は2種類の魚が混同されている。クロシビカマスはあまり美味しくはないようで、身に食い込むような骨が多くあり料理法が難しいようだ。一方のカゴカマスはほどよく脂が乗っており、口の中で蕩けるような白身はお刺身で絶品。クロシビカマスにある邪魔な骨もほとんどない。この2種は見分けられないと損をするし、見分け方は簡単なので覚えておいて損はない。背鰭前部に黒色の斑があれば美味しいカゴカマス。背鰭前部全体が黒ければ持って帰るか悩むクロシビカマス。スミヤキはもらえることもあるので、もらうかどうかを判断するのにもこの見分け方を知っているとハズさないwww
誘いすぎたせいでいっぱい釣ることになったシロムツだがこれも釣り人の呼称で標準和名はワキヤハタとオオメハタ。魚自体自分たちが別種だと認識しているのかどうか怪しいもんで、ワキヤハタとオオメハタが同時に釣れるなんてこともある。見分け方は尻鰭に注目する。尻鰭が大きくしっかりしているものがワキヤハタ、尻鰭が小さめなのがオオメハタ。ワキヤハタの方が少し深めに生息するようだがライト深場で狙う水深200メートル前後では混泳しているってことかな。ただしこの2種は見分ける必要はない。味の違いが分かりやすいように同じ鍋でマース煮にしてみたが味の差は全くない。
著者: へた釣り