タイトルだけでキャッチ&リリース派から強烈に批判されそうだが、小型カサゴのリリースは海面に思いっきり叩きつけるとよいどころか、思い切り叩きつけないといけない。教えてくれたのは羽田・かみやの淳ちゃん船長。東京湾のカレイが釣れなくなった理由を教えてくれた船長でもある。
キャッチ&イート派のへた釣りだって、何でもかんでも釣った魚を持って帰って食べているわけではない。カサゴなら15センチ以下はなるべくリリースする。理由は簡単。頭ばっかり大きくて持って帰っても食べるところがないからだ。せめてあと5センチは大きくなってから食べようと、リリースするのだが……船からの釣りで水深30メートルから釣りあげられたカサゴは、海面で腹を見せて浮かんだまま。カモメの餌になってしまうことが多い。先日の釣行でも、リリースサイズのカサゴが混じった。なるべく魚にダメージを与えないように、そっと針を外して、ゆっくり海に帰してあげると……魚は腹を見せ海面に浮かんだまま、流れていく。カモメに見つかると一巻の終わりである。ならばと、しばらくバケツに入れておいてからリリースしようとすると、バケツの中でどんどん弱っていくのが分かる。バケツの中でも腹を見せて浮かんだまま回復する気配はない。
へた釣りがリリースして海面に浮いているカサゴを見つけた淳ちゃん船長が、隣の釣り人に「それ、竿先で突いて!」と言った。竿先で突くと、一瞬、泳ぐ気力を取り戻すようで、潜っていこうとするのだが、竿で突つかれた程度では気力は長続きしないようで、すぐに海面に浮いてきた。「カサゴをリリースするんなら、思いっきり海面に叩きつけてよ!」。淳ちゃん船長の言葉である。魚を思い切り海面に叩きつける……子供のころ、カエルを水面に叩きつけて殺して遊んだことがあるけど……「ゆっくり帰すのが一番ダメなんだ。カモメに食べられるとかわいそうでしょ」と言われる。ちょうどリリースサイズが釣れた。口を掴んで、海面めがけて思いっきり叩きつける! 果たして、海面に叩きつけられたカサゴは元気に海底へと返っていくではないか。これには驚いた。
というわけで、カサゴをキャッチ&リリースするなら、思いっきり海面に叩きつけてリリースしてあげるのが正しい。カサゴ以外にも深場のカワハギやサクラダイなどリリースしても海中に帰っていけない魚はほかにもいる。今後、こういう魚をリリースするときは、叩きつければ無事リリースできるか実験してみようと思う。
著者: へた釣り