釣り人の習性として、知らない魚が「旬」と謳われていると食べなければとなる。1月末に訪れた釧路の居酒屋の日替わりメニューに「今が旬 八角お刺身」とあった。断面が八角形の魚だという知識はあったが、食べたことはなかった。注文したが売り切れ。翌日、回転寿司屋でありつけた。
ハッカクというのは北海道での呼び名のようで、標準和名はトクビレというらしい。カサゴ目トクビレ科の魚。尖った吻とオスの大きな第二背ビレ、尻ビレが特徴で、「特鰭」から標準和名が付けられたようだ。その姿を写真で見ると気持ち悪いほどに大きなヒレと黒っぽいゴツゴツとした体で正直あまり食欲をそそらない。北海道でもその姿のせいで美味しく見えなかったらしく長らく廃棄されていたようだが、50センチくらいまで育つオスは脂の乗りがよく、刺身や焼き物で人気が出たようだ。回転寿司店で食べたハッカクは、握りと卵の軍艦のセットだった。カサゴの仲間らしく歯を押し戻すようなぷりぷりとした食感の白身だった。脂の旨みはそれほど強く感じなかったのはメスだったからかな? 卵はプチプチとした食感が楽しかった。
著者: へた釣り