塩焼きや干物などほかの食べ方もあるのは知っているが、カイワリはなんといってもお刺身で食べてこそ真価を発揮する。ツ抜けできなかったときは釣った翌日からの3日間で、ツ抜けしたときは釣った日を含めて4日間で、お刺身で食べ切る。釣り人の責任で美味しい魚は美味しくいただく。
釣ったその夜のカイワリは食感こそ最高だが、際だった旨みはない。最高に美味しいのは釣った翌日で、ぷりぷりと歯を押し返すような弾力を残しながら、しっかりと脂の旨みと甘みが感じられるようになる。釣った翌々日は少し食感が柔らかくなり、その一方で脂の旨みはさらに一段上がる。翌日と翌々日のどちらが好みかは意見が別れる気がするが、へた釣りはお刺身は「活かり(食感)」が大事とされる大阪の出身なので翌日の方が好みだ。釣行3日後に食べ切るのは、この日から身に少し臭みが出てくるから。釣ったらすぐに血抜きをし、生きているうちにクーラーに移して海水氷で氷〆しているが、それでも少しだけ臭みが出始める。お刺身以外の食べ方なら気にならない程度だが、お刺身大好きへた釣りはこの日に意地でも釣ったカイワリは食べ切る。痛風大丈夫?とちょっと不安になる。同じアジ科のマアジはプリン体量が多めと知っている。でも、カイワリのプリン体量は調べても見つからないので気にしない。
著者: へた釣り