妻が真面目な顔をして「どうする?」と聞いてきた。へた釣り家にはカイワリは釣った翌日から3日間でお刺身で食べきるというルールがある。一方で痛風発作でへた釣りが食べてよい魚は1日200~300グラムに制限されている。返事は決まっている。「痛風上等♪ 3日間で食べきる!!」。
へた釣りはカイワリのお刺身を食べるために釣りをしているし、下手なりに釣技を少しでも向上させようと精進している。特に初島沖の水深95メートルで釣れた25センチ以上の口の中にウオノエ(シマアジノエ)が寄生していないカイワリはへた釣り家の刺し盛りのセンターポジションに15年にわたって君臨し続けている。極上な味わいが約束されているお刺身を美味しく食べられる時期を逃して塩焼きなどほかの食べ方で我慢しては釣り人の一分が立たない。痛風発作になってもいいからお刺身で3日で食べきると決め、食卓につくと「カイワリ釣ったら呑むよね」と日本酒まで用意されていた。よくできた妻である。最近あまり出来のよくない俺の体が大丈夫かは不明。
著者: へた釣り