アカハタの料理法を調べると清蒸が定番と知る。1匹丸ごと蒸しあげた魚に熱した油をかけて皮目をパリッと仕上げる料理で、海老が紹興酒で泳いでいる海鮮自慢の中華料理屋で何度か食べたことがある。家でも作れるかな?と妻にお伺いを立てたが大きな蒸し器がなく面倒だと拒否される。
初めて釣った魚はまずはお刺身で食べる主義なので、釣った日から3切れずつ薄造りにしたものを食べ続けている。薄く削いでもハタ類らしい歯を押し返すような弾力がある。熟成はかなりゆっくりな感じで3日目でやっと身の甘みが少し出てきたレベル。本格化するのは1週間とか10日とか経ってからかも。痛風でどうせたくさんは食べられないのでゆっくり熟成が進んでいくのを楽しもうと思う。食感と旨みのバランスが最高な食べごろを見つけられるのが釣魚を食べる特権だ。
清蒸は面倒だと断られたが煮魚にはしてもらえた。アカハタは沖縄ではアカミーバイと呼ばれている魚の1種なので、まずは沖縄っぽくマース(塩)煮で。アオサをいっぱい入れた磯の香り強化版のマース煮が本当は好きなんだけど、肝心のアカハタの味が分からなくなってはもったいないので、我慢する。優等生な白身の魚で骨からの身離れもいいので絶品だった。特に皮がぷるぷるしていて旨い。
小ぶりの物は味が足りない気がしたので薄味の煮つけに。20センチ前後でもカサゴと違ってしっかり可食部の身に厚みがあって悪くないどころか満足できる一皿に。ご飯もお酒も目下禁止中なのが惜しまれる。冬に東京湾奥で釣るメバルよりもエサをしっかり摂れているのか脂の乗りだけを比較すると上な気がした。煮付けにするのにももう少し熟成させて旨みを引き出してからの方がよかったかもと少し後悔してたりする。
著者: へた釣り