食いしん坊なので食べたいから釣っている。美味しい魚はまた食べたいから釣りに行きたくなる。毎シーズン、この味を思い出すとまた行こうと釣る気が湧いてくるのがアマダイ。酒蒸しと兜焼きでいただいた。ふっくらとした食感とほんのり上品、でもしっかりと感じられる身の甘みは最高。
アマダイは釣ったその日だけお刺身を塩で少しだけいただいて味見をし、翌日からは火を通して食べる。生食大好きだけどアマダイに関しては蒸したり焼いたりした方が断然旨い。三枚に下ろした身を昆布の上に置いて塩を少々と日本酒を振りかけて15分ほど蒸す。酒蒸しはシンプルな料理だが、アマダイの身の甘みが最大に引き立つし、ふっくらと蒸しあがった白身の上品さは抜群だ。毎秋、アマダイの酒蒸しを食べると、今年もアマダイ釣り頑張ろうという気合が沸々と湧いてくる。
酒蒸しにできるサイズのアマダイが釣れたら、頭は兜焼きにして食べる。多くの魚でそうだが魚の旨みが一番凝縮された身は頭の周りについている。アマダイの身のほのかな甘さを堪能するなら兜焼きは欠かせない。小型のアマダイ(深場の勇者様の釣ったのもいただけた)はウロコを付けたまま揚げて松笠揚げにすると子供たちの大好物だ。塩焼きしたものを吸い地に入れれば、きれいな皮のおかげでなんだかめでたい感じのお椀が出来上がる。猛烈に日本酒が欲しくなったが……痛風発作継続中なので我慢して濃い目のほうじ茶と一緒に。
著者: へた釣り