食いしん坊なもので、食べておいしい釣りには足繁く通う。沖上がり直前に釣った33センチのアマダイは、刺身にするにはサイズ的に脂の乗りが足りないので、半身を酒蒸しに残る半身は松笠揚げで。チカメキントキは癖のない白身なので煮付けで味を足す。ソコイトヨリはアヒージョに。
アマダイは40センチを超える良型だと脂の乗りがよくなりお刺身にして美味しい。醤油だと醤油の味が勝ってしまうので美味しい塩をちょんと付けて食べる。今回釣れたのは残念ながら33センチ。このサイズのアマダイはお刺身にすると物足りないことが多いが、火を通せば身の食感の良さとほのかな甘みを楽しめる。定番の料理法は酒蒸しだ。昆布の上にアマダイの切り身をおいて、日本酒で蒸し上げる。アマダイの旨味に日本酒と昆布の旨味を足すのであるから不味くなるわけがない。松笠揚げは今回は上手くウロコが開いて見るからに美味しそう。
チカメキントキもお刺身にすると美味しい魚だが、今回釣れたのは明らかにサイズ不足なので煮付けにした。身に厚みのある魚で食べ応えあり、頭や骨からいい出汁が出るようで煮付けにすると分かりやすく旨味が増す。頭の周辺の身が最高なので、ちょっと行儀は悪いが箸でほじれるだけほじくりだして、残った身にはしゃぶりつく。
ソコイトヨリは東京湾の釣り人の間ではイトヨリダイと区別していない人もいるが、残念ながらイトヨリダイほどには美味しくはない。味の方向性はアマダイと似ているので、アマダイがいるとどう食べるか悩むことになる。今回はワインを飲みたかったのでアヒージョにしてみた。ホロホロと柔らかい身質で絶品。
著者: へた釣り