羽田・かみやの釣果報告を読んで「梅雨アナゴ」という言葉を知る。江戸前では「梅雨時のアナゴが一番美味しいと言われ」ているそうだ。梅雨イサキ、梅雨イワシ(入梅イワシ)なら知っていたが……。これら梅雨時に脂が乗って旬を迎える魚を称して「梅雨の水を飲む魚」というらしい。
この時期、イサキ釣りに励んでいることを知っている友人が、「昨日、お寿司屋さんでロシア産のイサキを食べたらすごく美味しかった」と教えてくれる。「イサキ美味しいでしょ~」と同意しかけて「ん?」となる。イサキは南方の魚で東北以北では釣れない…ロシア産ってことはないはず。よく話を聞いてみると、壁掛けのお品書きにあった「露イサキ」を注文したんだそうだ。「梅雨=露」で字数を減らしたってことみたい。
梅雨時期に脂が乗って美味しくなる魚にはほかにもアナゴ、イワシがいる。いずれもこの時期に獲れた物は梅雨アナゴ、梅雨イワシ(入梅イワシ)としてお店で旬と分かる形で提供されることがある。梅雨時というのは海水温が上がり、プランクトンも増えてくるので多くの魚の脂が乗り始める時期である。アジ、シロギスという東京湾の二大釣魚も梅雨時が旬であるらしい。ほかにもイシダイ、ハモなども梅雨が旬とされている。これらの魚を称する素敵な言葉があることを知る。梅雨時に旬を迎える魚を「梅雨の水を飲む魚」というそうだ。
著者: へた釣り