釣れる魚がトロピカルすぎて本当にここは東京湾なの?というビックリな釣果になった金沢八景・一之瀬丸のLTウィリー五目。釣った魚でそれなりの大きさのモノは持ち帰ったのだが、本当に食えるのかどうかちょっと不安だったので、魚種を特定した。あと一目で真性五目釣り達成だった!?
生物の分類は目・科・属で行う。マダイだとスズキ目タイ科マダイ属のマダイ。「目」という大きなグループの中の「科」という中分類に含まれる「属」という小分類に属する「種」である。つまり違う魚を五種類以上釣る五目釣りは正しくは五種釣りということになる。日本で釣魚として狙われる魚の大半はスズキ目に属し、5つの目に分類される魚を同じ日に釣るなんて芸当はなかなかできないに違いないと思っていたのだが……真性五目釣りは達成できる?
キダイ(スズキ目タイ科キダイ属)。キダイと呼ぶよりレンコダイという通称の方が有名で、お正月のお頭付きの小ぶりのタイの塩焼きはキダイであることが多い。全長は30センチ以下で、マダイやチダイにある青い小斑点がなく、代わりに黄色斑があるため体色が黄色く見える。当然、お頭付きの塩焼きにして食べた。
アカイサキ(スズキ目ハタ科アカイサキ属)。体型はイサキに似ているがイサキ科にではなくハタ科に属する。淡白な白身の魚のようでオリーブオイル炒めやバター炒めにして油を補った調理法が向いているようだ。オスは顔に黄色い斑紋があり、メスは真っ赤。船長いわく「オスの方が美味しい」らしい。見た目だけならメスの方が美味しそうに見えるんだけど、気のせい?
シキシマハナダイ(スズキ目シキシマハナダイ科シキシマハナダイ属)。背中と尾びれがショッキングピンクで体は黄色……なんかルアーのような配色で釣った瞬間、リリース?と思ったのだが、「食えますよ」という船長の言葉を信じてキープ。白身でクセのない身とあるので、煮付けにして極彩色を醤油色で打ち消して食べようと思う。
キツネダイ(スズキ目ベラ科タキベラ属)。これまた釣りあげた瞬間、えらいもん釣ったなぁ~と思ったのだが、この魚は本当に美味しいらしい。「1日おいてからお刺身で」(船長)というわけで、取りあえず刺身で挑戦してみたい。どうせなら皮ごと霜皮造り焼霜造りでと考えているのだが、魚を見た子供1号&2号から「パパだけ食べてね」と拒絶されてしまった。気持ちは分かる。
トゴットメバル(カサゴ目フサカサゴ科メバル属)。属まで普段釣ったり食べたりしているメバルと同じなので安心感がある。体の色が少し薄くその分体表の班がはっきり見えるが、外見上はメバルと変わらない。料理法もメバルと同じ。刺身にするとメバルより脂のノリが悪いかな?という感じはするが、煮付けてしまえば、味に大差はない。
ヒメ(ヒメ目ヒメ科ヒメ属)。独立した目を形成している。ヒメ目にはエソが含まれるので、小骨が多くて練り物しか料理法はないかなぁ~と調べていると、干物にしても悪くない味らしい。でも、干物はうまく作れないので、叩いて揚げてさつま揚げみたいにして食べてみようと考えている。和歌山県にはヒメを叩いて甘辛く煮る「とんとん」という郷土料理があるらしい。
ヒシダイ(マトウダイ目ヒシダイ科ヒシダイ属)。残念ながら釣れたサイズが小さかったのでリリースしたのだが、唐揚げや塩焼きにすると美味しい魚らしい。船長も「もう少し大きければ美味しいよぉ」って言っていたので、次に釣れたらサイズを問わず持って帰って試食してやろうと思う。というのも、水面に叩きつけても蘇生せずにカモメの餌になったので、それならへた釣りが食べても一緒。(注:ヒシダイはスズキ目ヒシダイ科ヒシダイ属に分類され直したようだが、原稿のタイトルと矛盾するため見なかったことにw)
ヒシダイの分類がちょっと微妙だが、スズキ目、カサゴ目、ヒメ目、マトウダイ目と四目釣りは達成していたことにしておく。残る五目目、へた釣りは残念ながら1匹も釣れなかったが、船中ではウマヅラハギが釣れていた。ウマヅラハギはフグ目カワハギ科ウマヅラハギ属。真性五目釣りは十分達成できる射程圏にある……って、次に挑戦するときもトロピカルな色の魚を狙う気になっていたりw
著者: へた釣り